アメリカでは気をつけたい、日本語で違った解釈がされている5つの言葉

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日本語で何かを読んでいると、驚きそしてひやっとするような英語(もしくは和製英語)の表現を目にすることがある。アメリカでの使い方とは意味や正確性が違うだけで言葉そのものに問題がないという場合なら、あくまで「日本語という言語での解釈」として受け止めればいいのかなぁ、なんて思える。カタカナだったら特に。しかし時にはかなり際どい言葉であっても、雑誌などでは見出しにあえてアルファベットでそれを書いている時もあって、アメリカに住んでいる感覚でそれを見ると「マズイんじゃない?」と感じることがある。

 

コミュニケーションにおいて誤解や失礼な印象を与えかねない要注意なものが結構あるので、最近目について気になっていた5つをまとめてみました。

 

 

ジ○゜シー 

 

いきなり、○入りでわかりにくくてごめんなさい。お察しつきますか?

日本では本来の意味より、(放浪している人のイメージから)悩んでいたり気持ちが彷徨っている様子を表すことあるよね。「最近(いいシャンプーが見つからなくて)シャンプージ○゜シーで困っているの!」とか。

“g*psy” は実は海外では差別用語として扱われることが多く、nワードのように表記するのも控えた方がいいほど注意が必要な言葉。

この言葉、アメリカの辞書である Merriam-Webster によると、

 

sometimes offensive : a member of a traditionally itinerant people who originated in northern India and now live chiefly in south and southwest Asia, Europe, and North America

時に侮辱的: 北部インドを起源とし今は南アジア、西南アジア、ヨーロッパ、北米に住む、伝統的に放浪する民族のメンバーのこと

※ THE LITTLE WHIM

 

北インド系の人々で、世界中を放浪するいわゆるノマディックな人たちを指す。そこからアメリカでも、フリースピリットで一箇所に縛られない自由な人、みたいな意味で使われてきた部分もある。しかし昨今では、実際にジ○゜シーという言葉が暗に意味する差別的な要素を受け、安易な使用は控えた方がいい言葉とされている。

Merriam-Webster にも書いてあるが、そもそも “g*psy” という言葉は “Egyptian” からきている。本来は Romas と呼ばれるインド系民族にも関わらず、16世紀にイギリスに辿り着いた彼らが(外見的な要因から)エジプト人ととらえられた結果の通称。その時点で中傷がある。

そしてこの民族が様々な国で生活をする上での特徴から、”g*psy” という言葉は、「違法」「不当」(無許可のタクシーを “g*psy cab” と呼ぶなど)といったネガティブな意味を持つ場合が多い。New York Times ではこれは “slur”(人種的中傷)である、と述べている。

 

 

彼らは何世紀もかけて放浪する中で、多くの国で差別を受け、苦しい生活を強いられてきたケースが多い。私の夫曰く、ニューヨーク郊外の実家の近くにこの民族が住むアパートがあったらしく、彼らは確かに一般的な仕事には就いておらず近所には煙たがる人もいたという。

しかしかと言って、この民族を表す言葉(そもそも語源がおかしい)に「違法」「不当」という意味を含めてしまったのは差別的である。彼らがもし違法なことをしていたとしても、それは彼らに排他的であった社会にも問題があるわけで。

おそらく日本には実際のジ○゜シーはあまりいないと思うのでリアリティが湧かないかもしれない。でももし日本人をグループとして示す言葉が全く違う民族を語源として名付けられ、それがネガティブなことを意味する言葉として使用されていたら、と考えると納得いかないよね。

 

この言葉の使用はそもそも避けた方が安全。北インド系のノマディックな人々を指したい時は “Romas” “Romani people” を使う。そしてお気に入りのシャンプーが見つからない時の例のような使い方はそもそも日本語特有なので、差別的 プラス 意味不明になっちゃうんじゃないかな。

 

※ この記事の編集途中に一時帰国することに。滞在中に旅行で出向いた青森県立美術館でシャガールの「アレコ」の展示にも、こういった注意書きがあった。

 

 

ブラックミュージック

 

アメリカではまず聞いたことがない言葉。もしかして日本で作られ発展したのかも。ヒップホップ、R&B、ソウルなど、アフリカン・アメリカンのコミュニティから誕生した音楽のことを総称していると私は解釈している。

日本のタワーレコードなどでも普通に見かけるので日本では馴染みがあると思うけれど、これもかなり際どいんじゃないかな。

黒人のことを “black people” と呼ぶのは、注意が必要なコンテクストの場合を除いては許されている部分がある。反対に白人に関してもしかり。ただ、アフリカン・アメリカンが作り上げたアフリカの音楽や文化をルーツとする音楽を総称することはアメリカでは一般的ではないので、この言葉をアメリカで使うと違和感があるし、普通ではない分差別的に聞こえると思う。そしてエミネム、マライヤ・キャリー、アデルのように、ヒップホップや R&B をメインストリームに発展させて成功した他の人種のミュージシャンもいっぱいいるしね。

 

“African-American Music”、もしくはヒップホップ、R&B、ソウルのように個別にジャンルを挙げるといい。

 

 

ナイーブ

 

日本語での解釈と英語での本来の意味が全く異なるので、これはもしかしたら中学校とかの単語帳では要注意単語として書かれているかもしれない。実生活でも、要注意です。

日本語ではナイーブというと、「繊細な」「純粋な」「純朴な」などを意味し、ピュアでクリーンなイメージ。ナイーブというシリーズの植物性シャンプーなんかもあるよね。おそらく「敏感な肌にも優しい」という意味で名付けられたんだと思う。

でも実際の意味は、「無知な」「世間知らずな」「経験足らずな」といった感じ。更にはそこから発して「傷つきやすい」みたいな意味も持つ。もし誰かに “You are so naive.” と言ったら、小さな子供に使った場合のみ「汚れていない純粋な」という意味合いともとれるけれど、それ以上の年齢の人に向けて言ったら結構失礼。

 

「(人柄が)純粋な」は “innocent” 、「(人柄、トピック、肌などが)敏感な」は “sensitive”、「(絵画などが)細部に渡って繊細な」は “delicate”

 

ベテラン

 

アメリカで “veteran” といったら「退役軍人」のことを指すのが一般的。アメリカでは退役軍人とその家族には優遇サービスが公的にも民間にも溢れているので、この言葉は普段の生活でも目や耳にすることが多い。

ところが日本でベテランというと、「熟練した人」「経験を積み技術がある人」といった意味で使われる思う。これはアメリカでは通じないことはないけれど、退役軍人ではない誰かに文脈がしっかりしない状態で “You are such a veteran!” と言ったら、少し不思議がられると思う。退役軍人の人にもそれを言うのはなんかおかしい。どうしても使いたい場合は、”a veteran of xxx” と何において熟練しているかをはっきりさせたら伝わるかな。

 

「何かに優れている人」は “an expert”, 「経験豊富な」は “experienced”、「熟練した」は “skilled”

 

ヤンキー

 

最後は、ヤンキー。日本語では「不良でふらついている人」のことを指すよね。英語では全く意味が違います。

“yankee” はズバリ、アメリカ人の愛称みたいな感じ。Merriam-Webster によると、元々は18世紀、イギリスの植民地時代にニューイングランド地域に住む人々のことをイギリス人将軍がそう呼んだのが始まりみたい。そして南北戦争の頃は、南部の人が北部の人を軽蔑的に呼ぶのにも使われた。今ではそれがアメリカ人のことを総じて指す言葉になった。

アメリカ人に、ワルだねぇ、と意味したくて “You are a yankee!” と言ってもピンとこないと思う。そしてたまに、この言葉が持つ歴史背景的に白人アメリカ人に限定してちょっと含んだ意味で使われることもあるので、注意が必要です。

 

「見た目がチャラチャラした感じの不良」は “a punk”、もう少し硬い表現での「不良な」は “delinquent”

 


 

以上、最近日本のメディアやブログで見かけて気になって書き留めていた5つでした。

以前、「アメリカでは通じない!?英語っぽいけど英語じゃない言葉」シリーズとしてファッション用語とビューティ用語をまとめたものもあるので、もし興味があったら見てみてね。

 

 

 

 

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