parissky

ただいまの感覚

2度目のパリ出張、9日間の旅から帰ってきた。このブランドで働き始めて半年。旅行でしか行ったことがなかったパリは、すっかり、仕事をする場所に変わった。今回は前回に比べ責任も増え、忙しくも、前回に比べ自身のキャリアにとって有意義なものになった。

あっという間に感じたものの、家族(夫と猫と植物)を恋しく思い、はやく帰りたい気持ちも強かった。

JFKで蒸し暑さに迎えられ、uberの中からマンハッタンへ入っていく夜の景色を眺めながら、帰ってきたという感覚と同時に抱く気持ち。

「今の私には、外国から帰ってくる場所も、外国の都市だ。」

ニューヨークで結婚し、働き、生活をすることを決めたのは自分だ。そしてニューヨークにはそういった人が何万人、何十万人といる。しかし、2度パリに出張しただけではまだ慣れない、外国に帰ってくるということ。ただいま、が成田や羽田にしかなかった頃には抱かなかった感覚。世界の都市を飛び回ることが多い私の職種。この感じは、毎度持つことになっていくのだろうか。

競争が激しいこの街をホームとし、そこでファッションの仕事ができている悦びと、一方で、その間に大切なものを次々と失っているような焦り。ないものねだり?子供じみた欲張りが胸の奥に根付いている。

どれだけテクノロジーが発達しても、物理的な距離は変わらない。Skype やLine の電話は便利だが、それだけでは埋まらないものがある。「場所」はそこにしかなく、そしてそこにしかない「時間」が流れる。今ニューヨークという「場所」で、そこでの「時間」の中を生きている私は、やはりニューヨークがホームなのだ。だ?

東京は元気だろうか。湿気を含んだ空気が目に見えそうなほど重たい暑さが漂う東京の夏。うだる暑さの中一瞬で溶ける、美味しいかき氷が食べたい。例え嫌いな夏であっても、記憶の中ですら感じる、心から落ち着くただいま。

ホームシック。もしその処方箋がテクノロジーならば、斜に構えたことは言わず甘えよう。

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