Instagramの自分の写真が、知らぬところで$100,000の価値のアートになる可能性

ニューヨークで行われていた、Frieze Art Festival

ここで展示されていたある作品が大きな話題になっている。

 

https://news.artnet.com/art-world/richard-prince-steals-instagram-photographs-sells-100000-301663]

 

Richard Princeというアーティストによる”New Portraits”という作品。この作品は全て、セレブリティ、モデル、その他美しいとされているパブリックフィギュア(主に女性)のインスタグラム、要は「人様のインスタグラム」で成り立っている。その作品が、なんとこの度$100,000という値段で売れたそう。

 

 

更に詳しい部分まで掘り下げると、この作品はインスタグラムのいわゆる「スクリーンショット」が大きく引き伸されたもの。そこから投稿した本人が残したキャプションは削除され、Richard Princeによる全く異なるキャプションが加えられている。今回この”New Portraits”の作品に含まれたモデルのDoe Deereは、Friezeで自分のインスタグラムの写真が高値で売られたことについて、インスタグラム上で言及している。

 

Doe Deere本人は、 – Richard Princeに自分の写真の使用の許可はしていない。しかし常にこういった他人の写真の使用で話題になるPrinceはもう既に私の写真をFriezeで展示して、お金も手に入れると聞いた。訴える気もない – といったコメントを残している。

Richard Princeは2013年に、Patrick Cariousという写真家の”Canal Zone”という作品の使用許可をとらずに自分の作品に取り入れたことで訴えられている。その際、一度は写真家側が勝訴したものの、控訴にて、Princeが逆転勝利しているそうだ。

 

 

この際にカギとなったのは、Princeは、元の写真や作品をそのままではなく、彼なりの「編集」を加えた、”transformative”(変化力のある)ものとしてつくり上げており、元の作品を侵害していないという判断に至っていることだ。

しかしartnetの記事によると、美術批評家たちは、今回のこの一件でRichard Princeはお金儲けのアーティストに成り下がったと判断している。Patrick Cariousの時に比べ今回の”New Portraits”による彼なりの「編集」は極めて少なく、2013年の訴訟でアートにおける肖像権といった部分の侵害か否かという判断に関する大きな先例を作った挑戦からは後退した姿勢であり、辟易している様子がうかがえる。

 

 

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