COOKIEHEADがファスト ファッションをやめた理由 その1: サステナビリティ

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ファスト ファッションはビジネスとしての責任を果たせている?

 

シリーズ 「COOKIEHEADがファスト ファッションをやめた理由」

 

COOKIEHEADがファスト ファッションをやめた理由 その1は、サステイナビリティに焦点を絞る。

 

 

ファッション ビジネスにおけるサステナビリティは不十分

 

日本でもサステナビリティという言葉は広く理解されるようになったと思うが、今一度、定義を見てみる。

 

コトバンクより

 

「持続可能性」を意味する“Sustainability”のカタカナ表記。環境保護活動分野でも使用されることが多い用語で、近年は企業活動分野でも用いられている。企業分野では、利益を上げるだけでなく社会的責任を果たすことで、将来においても事業を存続できる可能性を持ち続ける、という意味で用いられる。

 

ファッションは、人の生活に欠かせない「衣食住」の一つである。その内の「食」と「衣」を比べてみると、世界中で今、多くの人は「食」にまつわるサステナビリティついては高い関心を持っているのに対して、「衣」に関しては注意が充分に払われていない気がする

 

理由はおそらく単純だ – やはり口から直接 身体に入れる食べ物や飲み物については、味ばかりではなく安全性を重視する人がほとんどだ。アレルギーや病気など、健康状態に直結する要因も多くあり、「あの会社の製品はいい」、「あのブランドは買うべきでない」など、情報が溢れている。

 

では、「衣」おけるサステナビリティが抱える問題について、どれくらい知られているのだろうか。2つ、取り上げてみようと思う。序章で述べた通り、「知ること」がまずは大切。

 

 

「衣」におけるサステナビリティにもっと目を向けてみよう –  劣悪な労働環境

 

2015年に、ファスト ファッションの抱える問題を取り上げたドキュメンタリー映画、「ザ・トゥルー・コスト 〜 ファストファッション 真の代償 〜」 が発表された。日本でも公開されている。

 

「真の代償」とは何か。

 

4年前に、バングラデシュの首都 ダッカで起きた、多くのファスト ファッション工場が入っていた建物、ラナ プラザが崩壊した事故(事件とも言える)は、ファッション業界だけでなく多くの人に衝撃を与えた。これを報じたThe New York Times の記事が、アンドリュー モーガン監督が「ザ・トゥルー・コスト」を作ったきっかけになっている。

 

Scores Dead in Bangladesh Building Collapse

 

工場がいくつも入るこの建物に非常口はないに等しく、建物が崩れ始めても、詰め込まれていた従業員たちは逃げ出せなかった。結果1,000人以上が死亡、2,500人以上が負傷するという大惨事になった。その他にもこの工場における非人道的な労働環境の実態が明るみになった。

 

監督は、この映画は誰かに罪悪感を持たせるためのものではなく、ただ純粋に、多くの人が知らなかった世界への招待状であると述べている

 

アンドリュー・モーガン監督メッセージ | 映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』
このインタビュー中の監督の言葉は、まさに私達が少しでもファスト ファッションの製造の裏側にある現実を知り、考え直すのに、充分な理由ではないか。

 

自分の衣服がどこから来るかを深く考えたことは一度もありませんでした。しかし、ブランドの裏側にいる人々やその現場について学び始めると、そこにあった現実は衝撃的なものでした。ファッションは労働依存度がもっとも高い産業で、世界のもっとも貧しい多数の労働者たちが衣服の生産に従事しており、その多くが女性です。これらの女性の多くが最低限の生活賃金以下の賃金で、危険な労働環境で、基本的な人権さえない状況で働いています

 

つまり、先進国の女性が買い、使い捨てる安い服は、貧しい国の女性が最低限以下の賃金で作っているのだ。安くてかわいい服の代償は、遠い異国で払われている

 

私は、そういった服を身に纏っても気分がよくならないと思うようになった。

 

 

「衣」におけるサステナビリティにもっと目を向けてみよう –  歯止めがきかない環境汚染

 

「ザ・トゥルー・コスト」でも触れられているが、実はファスト ファッション産業は、石油産業についで二番目に環境を破壊する、強い薬剤やガスを使う製造業である。安い製品を製造する過程ほど、その汚染力は強い。

 

River Blue という、ファスト ファッションの製造によって壊されていっている環境を取り上げたドキュメンタリー映画がある。私はParsons の教授に薦められて観たが、日本では公開されていないよう。

 

 

安価なファッション製品を作る工場の近くを流れる川は、青だったりピンクだったりグレイだったり、日によって色を変える。劇中では、「川の色を見れば、そのシーズンの流行色がわかる」という皮肉が語られている。

 

たった数回しか着ないかもしれない服のために、工場の付近で暮らす人々の生活環境は汚され、そしてそれは地球全体の未来を壊している。犠牲が大きすぎやしないか。

 

 

サステナビリティの維持は、ファッション業界全体の課題

 

ファッション デザイナーであり動物愛護者であるステラ マッカートニー。彼女は「ザ・トゥルー・コスト 」公開時にプロモーションに参加していた。彼女が作るブランド Stella McCartney は、ラグジュアリー デザイナー ブランドでありながら動物性の原料を一切使わない、(極めてビーガンに近い)ベジタリアン ファッションを貫いている珍しい存在である。更には、彼女はベジタリアンだけでなく、サステナブルなファッションも提案している

 

 

ステラ マッカートニーがファッション デザイナーとして、美しいものを作りたいという気持ちがあるのは他のブランドやデザイナーと同様だ。しかし、ファッション業界はそれを追求する故に、サステイナビリティを置き去りにしていることを訴えている。何をつかって、どのように製造されているか、そこにもっと焦点を当てて、地球にやさしいものづくりを業界全体が始めることを目指している。彼女のゴールは、ファッションにおける、美しさとサステイナビリティの共存に業界全体で取り組むこと。

 

 

「衣」は必要不可欠であると同時に、自分を表し、気持ちを満たすもの

 

衣料は肌を外気から守り、体温を調節するものとして始まった。そして生活が豊かになった今は、多くの選択肢がある。私は常に、ファッションは衣食住の一つであると同時に、自己表現の役割も果たすと思っている。「今日の格好、素敵だね」より、「今日の格好、あなたらしいね」と言われた時の方が嬉しい。自分らしい服選びに、労働環境や自然環境の問題は、どう作用する?遠い土地で労働力を不当に扱い、川の色を化学染料で染めて、手元に届いた服は、自分の表現したい姿を作る?

 

製造に問題のある産業は他にもたくさんある。私が日常的に使うもので、サステナビリティが不十分なものはたくさんあるのも理解している。しかし、私はファッションを学び、仕事にしている上で、少なくとも身に纏うものは、心から美しく心地よいと思えるものを選びたい。

 

 

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