ランウェイだけでなく、ストリートで着こなすちょっと際どいファッション

今までとは違う!セクシーという枠とは異なる、際どいファッション アイテムが気になる。

 

昔から、ランウェイでのルックで、モデルの胸元が見えていたり脚やその他の部分の肌が露わになるスタイルはよく見かける。特にクチュール コレクションではデザイナーの表現は芸術性をより前面に出すため、驚くような大胆さも。

 

例えば、薄い色のヴェイルで覆われてはいるものの、肌が多く見えるスタイル。

 

RUNWAYLOOKS 1
Left: Valentino SS2016, Middle: Maison Margiela  SS2013 Couture, Right: Christian Dior SS2017

 

その他にも、肌の上に様々な色合いや深みを纏っただけのスタイル。

 

RUNWAYLOOKSII
Left: Gucci SS2016, Middle: Simone Rocha SS2017, Right: Marques Almeida SS2015

 

更には、ブラやパンティといったアンダーウェアを彷彿とさせるスタイル。

 

RUNWAYLOOKS3
Left: J W Anderson SS2016, Middle: Dries Van Noten SS2016, Right: Burberry SS2014

 

こういったスタイルは、そもそも軽い装いをする春夏のコレクションに多い。そして、ランウェイのプレゼンテーションで見せられた状態から、実際に市場に落とすにあたって、着やすいものに変更されたり、異なるスタイリングで提案される

 

ところが、今季の秋冬コレクションのランウェイで話題をさらったある際どいアイテムが、そのまま商品として発売されており、しかもお店での売れ行きも好調らしい。そのアイテムとは、こちら。

 

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Raf SimonsのCalvin Kleinでのデビュー コレクションとなったAW2017でお目見えした、裸に見えるセーターだ。袖口はざっくり編まれたプレッピーなテイストのセーターだが、身頃の部分はヌードなメッシュ。それを、従来のCalvin Kleinらしいシンプルでシャープなペンシル スカートと合わせている。

 

このアイテムは、Bergdorf GoodmanBarneys New York、そしてSsense のサイトで、ランウェイとほぼ変わらない状態で商品として販売されいてる。Ssenseでは、サイズによっては売り切れも。

 

大きなニットの袖とヌードなメッシュ部分のコントラストが目を引くこのセーターは、メッシュ部分を隠して着てしまっては意味がない。ストリートでこのアイテムがどのように着こなされるかが、個人的にすごく楽しみ。

 

秋冬にも関わらず体を強調するのは、今シーズンのトレンドというよりはここのところ継続している傾向の一つと言える。90年代のような「ボディ コンシャス」ではなく、進化したフェミニズムの一環で、逆に女性の体であることを強調しているようにもとれる。

 

例えば去年から根強い人気でよく見かける、Orseund Irisのこのトップ。

 

TOP

 

まるでブラのワイヤーの部分だけを胸元に縫い付けたようなデザイン。事実、このトップはブラをつけずに着ている写真を見ることが多い。ユニクロのブラトップから何次元か先の発想、といった感じ。ブラをしていないことが自分も周りの人も気にならないのがブラトップだとしたら、Orseund Irisのトップはあえてブラをしていないことを強調するもの。ブラをせず自由で開放的なスタイルを好む女性が、あえてブラのワイヤー部分(おそらくホールド機能はほぼない)を外側で見せ、そしてブラのストラップがない裸の肩をも見せるおもしろさ。

 

TOPII

 

Orseund Irisのコルセットも、よく目にする。従来はドレスの下に着けてボディ ラインを補正する目的のコルセットを、Tシャツの上にレイヤリングして、ボディ ラインをしっかり見せている。このブランドが強調する新しい大胆さは、実に今のミレニアルがファッションを通して伝える女性の強さを表現していると思う。

 

 

見せることの際どさが、ストリートに降りてきた。それは裏を返せば、自分そのものを見せていく傾向が強くなっているということ。スタイルがよく見える服や肌を隠す格好を選ばず、あえて自分をさらけ出すということ自体が、今の本当のトレンドなのかもしれない。

 

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