サステナブルに旅をする6つのコツ

少し前にボストンに旅行に行っていた4日間、旅に取り入れられるサステナビリティについて考えていた。思いついたのはどれも小さなことばかりだったけれど、旅行中に簡単に実践できたコツが6つある。

もう少し早くアップできればよかったのだけれど、ゴールデンウィーク後半に旅の予定がある方、もしくはすでに夏の旅行の計画を立て始めている方、旅に取り込めるちょっとした簡単なアイデアばかりなので、読んでみてください。

おまけとして、私が住むニューヨークに遊びに来る際に役立つ情報も含めてご紹介!

交通

アメリカやヨーロッパでは、Uber をはじめとしたアプリを使った配車サービスがとても一般的に使われている。今は競合が乱立しタクシーと並んで選択肢が多い。

しかしサステナビリティの視点から見ると、消費エネルギーを削減できる公共交通をもっと利用するべき

transportation

バスや地下鉄、列車は、新しい街だと路線がわからず難しいけれど、それも街をもっと知る手段の一つと前向きに捉えれば楽しめる。安全を考慮しつつ、荷物が多い時や公共交通機関を使えないエリアに行く時を除き、地下鉄やバスを使ってみよう。

ニューヨークの場合

ニューヨークのシティ内(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、そしてブロンクス)のほとんどのエリアは、MTA (Metropolitan Transportation Authority) が運営する地下鉄とバスが走っている。東京のように JR と私鉄が混同しているややこしさはなく、全てが共通したシステムで料金はどこまで行っても一律。基本的には24時間運行しているものが多い。(ただし夜間や週末は本数が減ったり、工事や整備で運行休止の場合もあるので注意。)

mta

駅の券売機で MetroCard と呼ばれる磁気のカード(むかーしむかしのテレカみたいな。パスモやスイカに比べるとかなり遅れています!)を購入して、single ride(1回乗り)や 7-day pass(7日間乗り放題)などの種類を選ぶシステム。クレジットカードと現金どちらも使える。

MTA – Metrocard
http://web.mta.info/metrocard/mcgtreng.htm

宿泊

アメリカやヨーロッパで、もう一つここ数年で圧倒的に浸透したのが Airbnb。日本語で民泊と言われるあれです。要は誰かのおうちに泊めてもらうわけで、「暮らすように旅する」がまさに実現する。サステナビリティの観点から見ても、民泊はホテル施設に比べてエネルギーや資源の消費が抑えられてエコフレンドリー

Airbnb に抵抗がある意見もあると思う。その場合、ホテルに宿泊してもできる工夫がある。私はボストンでは夫の会社が予約したホテルに泊まっていたのだけれど、3泊する中で清掃とシーツやタオルの交換を控えた。

hotel

ホテルにはほとんどいないので毎日の清掃は必要ない。タオルは夫と2人の部屋予約にプラスの数枚があったのでそれで十分。夜シャワーを浴びてから寝ていたのでシーツも同じものでよし。基本的に、滞在日数内で、自分が普段生活していて毎日することではないサービスは、必要ない

ニューヨークの場合

ニューヨークは家賃がとても高い街なので、Airbnb で家賃をまかなっている人もいるくらい。私の同僚も、素敵な pre-war アパートメントに住んでいるけれど家賃がネックなようで、たまに給料日前は友達の家に泊まって自分の家は Airbnb で貸し出し収入の足しにしていることがある。他にも収入目当てで貸し出しているケースは多いようなので、いい物件が見つかる可能性は高い。

ドラマや映画のような生活をしてみたいならマンハッタンの West Village や Tribeca、Soho などのエリアを探してみて。古い建物は趣きがあるけれど、水やガスに問題がある場合があるのでレビューを慎重に読んでから決定を。マンハッタンより静かなエリアがよかったらブルックリンが断然オススメ。私が住む Williamsburg – Greenpoint 界隈は古さとヒップさがミックスした雰囲気。ローカルでスモールビジネスのお店やレストランが多く楽しい。Park Slope や Carroll Garden、Cobble Hill はブラウンストーンと呼ばれる古いタウンハウス的な建物が多くて素敵。

cityscape

ホテルに滞在する場合で清掃やシーツ・タオルの交換を断りたい時。一般的にタオルをラックにかけていたら「まだ使います」、床に置いてあったら「変えてください」のサインだと言われている。シーツに関しては、ホテルが “Help protect our environment” などと書いているカードを部屋に用意している場合も最近は多いので、それをベッドに置くと清掃員はシーツをそのままにしてくれる。アメニティのシャンプー類も使いかけをそのまま置いておいたら、新しいものに交換しないホテルが増えていると思う。

私は一切何もして欲しくないので、”Please do not disturb” の下げ札をドアに下げて、更にフロントで清掃に入らないでほしい旨を伝える。”I’m staying in room xxx, and I don’t need cleaning in my room.”(私は xxx 号室に泊まっていますが、清掃サービスは要りません。)

観光

観光は極めて旅の行き先によるのであまり具体的な案は挙げられないけれど、どこに行くにしても共通して言えるのは、パンフレットや案内地図をもらい過ぎないこと。どうしても持って帰って保存したいという場合以外はたいてい最後はゴミになってしまう。今の時代、スマートフォンやタブレットで地図アプリを活用できるし、Google マップは事前にダウンロードした地域をオフラインでも見ることができる機能がある。大体の観光名所はウェブサイトで歴史・概要・時間などの情報を確認できる。

ニューヨークの場合

ニューヨークを代表する観光名所の一つ、メトロポリタン美術館。巨大な建物なので案内や地図がないと迷ってしまうけれど、パンフレットはもらわずとも、アプリで必要な情報を閲覧することができる。

「パンフレットくらい」、と思うかもしれないけれど、メトリポリタン美術館には年間700万人が訪れると言われている。もらわれて、そして捨てられていくパンフレットの数もかなりのものだろう。アプリを代用したり、せめてパンフレットはグループで1つ、と消費を減らすことは、少しくらいは意味があると思う。

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MoMA ニューヨーク近代美術館も情報が見られるアプリがあり、所蔵名作の解説をオーディオで聞くこともできる。日本語対応しているよ。どちらも美術館内に無料の wifi があるので、それを利用すれば事前にダウンロードしていなくても大丈夫。どうしてもアプリを使いたくない場合は、パンフレットの必要なページをスマートフォンで写真に撮って、そっと戻すのもあり。

食事

せっかくの旅、食事はローカルに楽しもう。地域に密着したレストランほど、原材料の調達やレストランの運営において無駄が少なく環境に優しい。不可能ではない限り、チェーンではなく、地元型のお店を探して。

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ニューヨークの場合

人種が多様な街ならではで、まさに世界各国の料理を楽しむことができるのがニューヨークの楽しいところ。

マンハッタンでオススメなのは Lower East Side と呼ばれるエリア。こだわりの強い小さなレストランがたくさんあるし、チャイナタウンも近い。人気ブティックの Maryam Nassir Zadeh から数ブロック南に行くとある Kiki’s(ベジタリアン・ヴィーガンオプションあり)はギリシャ料理が楽しめる、素朴な雰囲気がかわいいお店。その近くにある Jajajaという100%ヴィーガンのメキシカンレストランも大人気。

関連記事: ヴィーガン・ギルティ・プレジャー IN ニューヨーク VOL. 7 – JAJAJA

ブルックリンでオススメなのは Williamsburg と Greenpoint に1店舗ずつある Bakeri。北欧スタイルのベーカリーで、カフェとしてサンドウィッチなどのメニューもあるので朝食やブランチにオススメ。Greenpoint 店で毎日焼かれているパンやペイストリーは日によって替わるので、ご近所の私は毎週末ワクワクする。100%ヴィーガンのフレンチ風ベーカリーカフェなら、Terms of Endearment がオススメ。

関連記事: ヴィーガン・ギルティ・プレジャー IN ニューヨーク VOL. 8 – TERMS OF ENDEARMENT

ニューヨークらしさを楽しめるローカルなベーグル屋さんやコーヒーショップも、街中に溢れている。

ショッピング

旅の楽しみの一つ、ショッピング。旅行中のほとんどは経験なのに対して、ショッピングして物理的に持ち帰るものは、旅の思い出の品として残る大切なもの。

でも!紙袋やビニール袋はいらないよね?私はもっと若い頃は今よりずっと浪費していたし意識も低く、ヨーロッパやアジアに友達と旅行に行った際の最終日のホテルの部屋は、パッキングする際に中身だけ取り出して不要になった紙袋で溢れていた。今は誰かへの贈り物などの理由でどうしても欲しい場合を除いては、旅行中はエコバッグを必ず持ち歩いて紙袋やビニール袋をもらわない。複数の箇所でお買い物をした際にはまとめられるし、スーパーマーケットで食材や細々したものを買う時もとても便利。

ニューヨークの場合

小さく軽いコットン製のトートバッグをバッグに忍ばせている人が多い気がする。あとは、カリフォルニア発の軽量・折りたたみ式ナイロンバッグの Baggu も見かける機会が多い。リサイクル素材で作られているシリーズがあり、耐水・耐久性があるので私も持っている。日本でも購入できるみたい。

baggu

持っているものを荷物に詰めるのが一番だけれど、エコバッグを持ってくるのを忘れてしまった場合は、街中で購入できる場所が多いのでそれを帰ってからも旅の思い出として使うのも。ただ、「エコバッグが普及していくつも買う人が増え始めると、エコバッグもエコではなくなる」と言われ始めているので、気をつけたいところ。

最後は水。旅行先によっては水道水の飲用ができない場所もある。その場合水を購入することになると思うけれど、ペットボトルではなくガラスボトルを選ぼう。多少重くとも、リサイクルがしやすい素材を使うべき(現地のリサイクル事情によっては、ペットボトルの方がいい場合もあるので調べる余地はあり)。ちなみにプラスチック ストローに関しても、最近アメリカでは使用を禁止している州が増えている。

bottles

私は、S’well というブランドのボトルをここ数年生活の中で愛用していて、旅行にも持っていく。ボストンではホテルにレモン ウォーターがあったので、外出前にそれをボトルに満たしていた。

swell

ホテルにウォーター サーバーなどがある場合も多いので、見つからない場合はフロントで尋ねてみて。コーヒーショップでもボトルに入れてもらうことが可能。こういったボトルは中が空であればセキュリティを通れて、預け荷物だけでなく手荷物としての持ち込みも許可されている。搭乗を待つ間にウォーターサーバーで水を入れておけば、機内でも水分補給ができるよ。

ニューヨークの場合

都会のイメージがあるニューヨークだけれど、実は近郊には自然が溢れていて、そこから届けられる水は世界でも屈指のクリーンな水道水と言われている。なので、ニューヨークの水は飲んで全く問題ないです!ボトルに詰め替えて街歩き中の水分補給をしてね。

ニューヨークの街中では、市が設置している自由に飲用水を汲める施設もある。今後も増えていく予定。

Water Fountain and Bottle Refill Stations in NYC
https://portal.311.nyc.gov/article/?kanumber=KA-03088


私が実践した6つのコツ、どれもすごく簡単でシンプルな工夫で、多くの方々が取り入れられると思う。旅行するというのは、誰かの土地へお邪魔するということ。そこでの環境への配慮をすると、旅を楽しむ上で感謝の気持ちを表すことができる。

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