ニューヨーク生活4年、日本への一時帰国は年に一度のCOOKIEHEADが、日本とアメリカの美容の狭間でぞれぞれの違いを分析。
アメリカに住むようになってしばらく経ち、かつてからビューティには興味があったけれど、最近は特にメイクアップは自分に自信をつけるものと思うようになった。それと同時に、溢れる情報の中から自分に合うものを探すのが楽しい。
アメリカのビューティ系メディアの情報を見ることは多いけれど、最近日本の雑誌をオンラインで購読できるアカウントを家族にシェアしてもらい、日本のビューティ雑誌も閲覧するようになった。日本で注目されているものや特集されているものを読んでいると、参考になるものと、アメリカではあまりピンとこないものにはっきり分かれる。つまりは、日本の方法を続けているものと、完全にアメリカ式になってしまったものがある感じ。
気になったものの内、今回はまずケア編から。
スキンケア
洗顔の泡
去年の一時帰国中に実家でテレビを観ていたら夫が “Wow!” と声をあげた。このコマーシャルに目を奪われていた。
使ったこともある人が多いであろう、資生堂 専科のパーフェクトホイップ。もこもこの泡に顔を埋めるこのコマーシャルはこの商品を使ったことがある私にも新鮮だったが、アメリカ人の夫にはかなりの衝撃だったよう。なぜなら、アメリカでは顔は必ずしも泡で洗うものではないからだ。
夫の、まさしく「パーフェクト」な泡への関心は非常に高そうだったので、買って帰ってきた。しかしある日、「あのコマーシャルは嘘だったね。」と言ってきた。大げさではあるけれど嘘ってことはないだろう!と思い、彼が顔を洗う様子を見てみたら、泡立て方を知らなかった。アメリカの洗顔料は、手にとり、濡れた顔の上でなじませながら洗っていく、というタイプが多い。泡立つものもあるがすごく控えめ。その感覚でパーフェクトホイップも使っていたため、もこもこにはたどり着けていなかったのだ。(かわいそうなことをしちゃった!)
COOKIEHEADの選択
私は日本の泡で洗う感覚の方が今でも好きなので、日本の洗顔料かこちらで購入する固形石鹸と日本の泡立てネットで泡を作って洗っている。
化粧水
日本では、化粧水はどんなズボラな人でも使う必要最低限のアイテムな印象。しかし、アメリカには化粧水がない。日本で化粧水の商品はよく「xx ローション」と名付けられているけれど、アメリカでローションというといわゆる乳液タイプのことで、主に身体用のものを “body lotion” と呼ぶ。(顔用の乳液はだいたい “moisturizer” と呼ぶ。)
アメリカに存在する透明の液体状のものといえば、 “toner” と”face mist” がある。トナーはコットンを使って汚れや角質を拭き取るもの。有名なものはアメリカの老舗ブランドCliniqueのToner。フェイス ミストは、日本にあるものに似ていて、スッキリさせたり肌を整える目的のもの。最近こちらでよく目にするのは、Mario BodescuのFacial Spray With Aloe, Herbs And Rosewater や GlossierのSoothing Face Mist。アメリカでは洗顔後、そのまま保湿か、もしくはこういった水状のものを挟んで保湿にいく。
COOKIEHEADの選択
私は、アメリカに住むようになってから化粧水は(手に入らないのもあり)使わなくなった。日によってトナーでの拭き取りをした後、そのまま美容液やセラム、そして乳液やクリームに。
美白 vs 日焼け
日本ではあらゆる年齢層に向けて、様々な価格帯で美白が推奨されている。人種が多様なアメリカでは肌の色はそれぞれ異なるし、シミや肌のくすみ・黒ずみに向けた商品はあるけれど、いわゆる美白やホワイトニングといったコンセプトのものがラインで揃うことは極めて珍しい。
サンスクリーン、いわゆる日焼け止めはアメリカでは一般的に使われる。しかし、それは日焼けの防止だけではなく、皮膚の炎症や皮膚ガンの原因を予防する目的が非常に大きく、子供の頃から外出時にはつけるよう言われていることが多い。
更には、アメリカでは日焼け用のローションやセルフタンニングなど、日焼けを楽しむアイテムも人気だ。
COOKIEHEADの選択
私は日焼け止めと日焼け後の保湿には気をつけているが、美白はスキンケアに取り入れていない。もはや日本に帰ると周りの日本人に比べて自分はかなりこんがりしているように感じる。ニューヨークの真夏は日差しが強く皮膚がヒリヒリ痛くなることもあるので、皮膚科で定期的にホクロ等のチェックアップを受けている。
ヘアケア
毎日洗う?
最後は一つ、ヘアケアについて。ニューヨークは特に夏は気温・湿度ともに高いので、洗髪は頻繁に行うと思うけれど、一転して冬は非常に寒く乾燥も激しいので、毎日髪を洗う必要はない。その分ドライシャンプーや、ペタッとしないようにブラッシングするツールなどが多い。
そしてシャンプーも洗顔同様、日本ほど泡で洗う感覚ではないため、泡立ちは控えめだ。更には、私がニューヨークに引っ越す少し前くらいから、日本ではシリコンフリーのシャンプーをよく見かけるようになったが、アメリカではシリコンフリーよりサルフェイトフリーが主流だ。サルフェイトは泡立ちや高い洗浄力を促すと同時に地肌への刺激も強いため、市場は敏感に反応しているよう。故にますます泡立たない。
加えてあくまで私の感覚だが、東京とニューヨークでの水の性質の違いも、泡立ちの差に影響している気がする。(これはヨーロッパでも感じる。ヨーロッパは本当に泡立たない!)
COOKIEHEADの選択
暑い時期は毎日洗うけれど、冬場はドライシャンプーで頭皮のみケアする場合も。その分、しっかり洗いたい時にシャンプーがあまり泡立たないのは正直満足できない。私は以前書いた通りパープルシャンプーを使っていて、愛用しているShimmer Lightsは泡立つ。それ以外だと、「過剰なシリコンやサルフェイトを含まない」という表記のある商品を使うようにしている。シリコンやサルフェイトは余剰なのは問題だけれど、ゼロである必要はないらしい!
以上、ケア編としてスキンケアとヘアケアについて。次回はメイクアップ編。