THE LITTLE WHIM では、アニマルライツや環境、人権への関心が高まるにつれて、ヴィーガンライフスタイルへの意識はどんどん強まってくると考えている。
少しでもヴィーガニズムについて学び、身近に感じ、できることから始め、続ける – そのきっかけを求めて始まった連載、「世界のヴィーガンにインタビュー」。企画の詳細については以下のリンクから。
第3回目はイギリス ロンドン在住のエリーさん。
エリーさんのプロフィール
ロンドン在住15年。
フルタイムでお仕事をしつつ
ユーチューブとインスタグラムで
ヴィーガニズムとエシカルライフスタイルについて情報発信中。
今回のインタビューで特に興味深いのは、周りとのコミュニケーションについてもご自身のお考えをシェアしてくださったところ(質問 6)。特にヴィーガンではない人と会う時のポイントは、ぜひ気に留めておきたいところ。
1. いつからヴィーガンになりましたか?そして理由は?
3年ほど前です。その時点ではまだ消費していた乳製品、卵、ウールの製造の裏にある残酷な事実について学んだからです。
2. どのように移行しましたか?
5年ほど前、化粧品や洗剤などの生活用品が動物実験されていることを知りました。以前犬を飼っていたこともあり、犬にも実験されているという事実にかなりショックを受け、
数ヶ月後には、犬だけではなく畜産動物も同じだけ複雑な感情や知性があるということに内心気づいている自分が無視できなくなり、お肉の消費をやめペスカタリアンになりました。
その1年半後ぐらいに自分の中の種差別に気づき、全ての動物からの搾取をやめようと思いヴィーガンになりました。
3. ヴィーガンになるにあたって、難しさはありましたか?
全くありませんでした。自分の中でヴィーガンになった理由がはっきりしていたので、動物の苦しみを思うと「あれが食べたい」「これが食べられたらいいのに」と思う気持ちも湧かなくなりました。
また、自分で決断してすぐに周りに宣言したので気まずい状況に遭遇することはなかったです。
4. 周りの反応はどうでしたか?
ありがたいことに家族は理解を示してくれましたし、仲の良い友達も興味を持ってくれたりヴィーガンのカフェで会ってくれたりします。
宣言した時にヴィーガンになった理由や情報をまとめたメールを送ったのが、少し役に立ったかもしれません。
5. ロンドンのヴィーガン事情をおしえてください。
ロンドンはヴィーガンにとって非常に住みやすい街です。ヴィーガン協会発足の地でもありますし、ヴィーガンでない人の間でもヴィーガニズムへの理解が進んでいます。
チェーン店のレストランもほとんどがヴィーガン用メニューを用意していますし、ヴィーガンレストランも選ぶのに迷うくらいたくさんあります。
アニマルライツ運動や気候変動に対する運動も盛んです。誰でも足を運びやすいイベントもたくさんあり、食とアニマルライツ、環境、健康 の関連性を学べる機会も多いです。
6. 健康上や生活上、ヴィーガンを続ける中で特に気にかけていることはありますか?
健康面では特にありません。ヴィーガンになってから自分には乳製品が合っていなかったことに気づき、体調がとてもよくなりました。
その他の面では、私がヴィーガンだとご存じない方と食事をする際に、当日に迷惑がかかってしまわないように必ず事前にお伝えするようにしています。
伝え方も気をつけるようにしています。まずはヴィーガンである理由をとても簡単に説明し、決してダイエットや好き嫌いのためではないことを理解していただけるようにします。そして一番気をつけているのが、会うことが楽しみであること、彼らが大切な存在であることなどをきちんと伝えることです。相手の方が、自分たちへの個人的なことと受け止めて傷ついてしまったり勘違いしてしまうのを避けるように注意します。
7. ヴィーガニズムに関心がある方やこれからヴィーガンになろうと考えている方に、アドバイスをお願いします。
家族や友達に理解を示してもらえない状況の方は、一人で挑戦するのはとても大変だと思います。不安なことやわからないことがあれば、すでにヴィーガン生活をしている方に話してみるのが一番だと思います。
身近にヴィーガンの人がいなくても、ソーシャルメディアで探して繋がることが可能です し、一人で悩まずに仲間を増やしてみるといいと思います!
8. そのほか、メッセージやコメントがあればどうぞ。
自分にとって、ヴィーガンになったことはこれまでの人生で最高の決断です。生活が制限されたり人付き合いに影響が出たりす るのではないかと不安がありましたが、そんなことはなく、逆に世界が広がりました。
そして、自分の信念や気持ちに対して誠実に生きられるようになりました。
ロンドンから、ヴィーガニズムについてユーチューブ チャンネルとインスタグラムで発信しておりますので、もしよかったらぜひ見てみてください。
写真提供: エリー
編集後記
ユーチューブのビデオからも伝わってくるように、エリーさんは芯の強さがありつつ人へのあたたかい思いやりがあるお人柄、という印象を受ける。そしてその思いやりは動物と地球にも向けられている。「人生で最高の決断」「自分の信念や気持ちに対して誠実に生きられるようになった」 – とてもパワフルなステートメント。誇りと自信を持ってご自身の信じることを続け広めようとしている姿には、私にももっとできることを増やしていきたい、と背中を押される。
海外生活が長いエリーさんは、人種・文化が多様なロンドンならではの視点から見るヴィーガニズムについてもユーチューブで取り上げている。ヴィーガニズムは、特定の白人文化だったり一部のセレブのライフスタイルとしてイメージを抱かれる傾向がある。しかしそもそも種差別を取り除く考えであるヴィーガニズムは、様々な背景の人々の歓迎し、それぞれの文化を尊重するべき。「インターセクショナリティ」に焦点を当てながらヴィーガニズムを見つめ直すきっかけになる。
あとは、イギリスのアフタヌーンティが好きな私はそのヴィーガン バージョンが取り上げられているビデオも食い入るように観たのを覚えている。私のオススメを貼っておきます!
「世界のヴィーガンにインタビュー」もっとご覧になりたい方はこちら
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