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世界のヴィーガンにインタビュー VOL. 5 – 東京在住 IKUKOさん

THE LITTLE WHIM では、アニマルライツや環境、人権への関心が高まるにつれて、ヴィーガンライフスタイルへの意識はどんどん強まってくると考えている。

少しでもヴィーガニズムについて学び、身近に感じ、できることから始め、続ける – そのきっかけを求めて始まった連載、世界のヴィーガンにインタビュー。企画の詳細については以下のリンクから。

第5回目は東京在住のIkukoさん

IKUKO PROF

Ikukoさんのプロフィール

1988年日本生まれ。
高校卒業までアメリカ・ニュージャージー州で育ち
大学進学を機に帰国し日本に拠点を移す。
大学と専門学校卒業後ファッションブランドへ入社し
現在は海外のプロモーションを担当。
愛犬エマと家族で東京に在住し
楽しいヴィーガン生活を送っている。

 実はIkukoさんは、少し前まで一緒にファッションの仕事をしていた仲間。拠点は離れているものの、ニューヨークやパリで年に数回顔を合わす関係だった。ふとしたきっかけで彼女がヴィーガンであることを知り、その当時ヴィーガンに移行中だった私が「Ikukoさんと個人的にもっと話してみたい!」と食事に誘ったのが仲良くなったきっかけ。東京でのヴィーガンでエシカルなライフスタイルについて色々おしえてもらったり意見交換をする貴重なヴィーガン友達。

「世界のヴィーガンにインタビュー」では今まで海外在住の日本人が続いた中、今回は初めて東京在住のヴィーガンへのインタビュー。長いアメリカ生活を経て日本でヴィーガンになった彼女は、まだヴィーガニズムが浸透していない東京での難しい現実にも触れてくれている。

1.     いつからヴィーガンになりましたか?そして理由は?

2007年、大学生の時から10年間ペスカタリアン・ベジタリアンをしていて、ゆくゆくヴィーガンになりたいという思いを約2年前、2017年の春あたりに実現しました。

アメリカで高校に入った頃から、環境問題・人種差別・性差別など様々な問題を身近に感じ、強く意識するように。テロ事件・自然災害・家畜伝染病等が自分の住んでいる環境付近で起きているのを肌で感じたり見ることが多く、家族や親戚の病気や死の辛さを体験することで、一人の人間としてこの地球で生きていく義務・責任・権利について考え始めていました。

日本の大学に進学した直後、自ら関心を持ち勉強したいことを学べる環境に移り、初めて親から離れて過ごすタイミングで、色々な考えや思いを行動に移すことを決心。特に書籍・ニュース・授業を通して世界で起きている様々な分野のことを吸収することを続ける中、疑問を持ち自分の意見を見つめた上でライフチョイスをすることを身近なところから少しずつ始めました。

環境(自然・生き物)への意識からサステナブルな生き方を試行錯誤しながら、今では一般化していることですがエコバッグやマイボトル使用など、色々なことに無理がない範囲で挑戦しました。そして今まで特に自分の中で葛藤してきた「同じ動物を食べる必要性と道徳性」に関して、答えを出すために実際食生活を変えることを決めました。今考えると、自分ができることの中で一番意味があり大きく環境へ良い影響を与えられる行動の一つだと思います。

IKUKO EMMA

Ikukoさんとその家族にとってかけがえのない存在であるという愛犬のエマ。
週末の散歩は Ikukoさんの大事な時間。

2.  どのように移行しましたか?

先述の通り10年間のペスカタリアン・ベジタリアンの時期を経て、様々な思いが繋がって最終的にヴィーガンになりました。

3.  ヴィーガンになるにあたって、難しさはありましたか?

ヴィーガンになることはとても自然であり、移行すること自体は難しくなかったです。食生活の中から乳製品をなくすことのネガティブ面はなく、むしろ健康にはプラスになっていったと感じています。

しかし、「食品選び」と「外食・友達や同僚との付き合い」の2つポイントについては悩むことが多く、今でもとても気を遣わなければならないです。

特に「食品選び」については、日本に住んでいる限り難しいと思います。日本食文化を存じている方なら理解できると思いますが、日本料理は魚を出汁として使うことが一般的です。そのため、スーパーマーケットの食品に調味料として魚が含まれていることはとても多いです。問題なさそうな食品でもこまめに原材料名のラベルを確認することはマストとなっています。また、ヴィーガン向けの代替え食品は一般的なスーパーではほぼ取り扱っていないので、選択肢がとても狭められてしまいます。

4.  周りの反応はどうでしたか?

ベジタリアンからヴィーガンへ移行した時、最初は家族に健康面に関してとても心配されました。しかし私がヴィーガンになった理由を聞き、また動物性食品なしでも充分な食生活を送れることを知り、今は全面的にサポートしてくれる一番の理解者です。

家族以外の友達や同僚はびっくりし、今でも珍しがられることが多いです。マイナスなリアクションをされることも残念ながらありますし、外食が難しいゆえに付き合いにくいと思われている気がすることもあります。

一般的な飲食店の店員や全く見知らぬ人には基本的に驚かれ、理解と対応がされない場面が多い現実は、ヴィーガンになった時から今でも正直続いていると感じます。

5.  東京のヴィーガン事情をおしえてください。

とても限られてはいますが、最近東京都心ではベジタリアンやヴィーガンのレストランが増えてきています。また、ビオやオーガニックのスーパーマーケットも目にするようになっています。まだまだメジャーな動きとは言えませんが、普及化の兆しと言えると思います。

6.  健康上や生活上、ヴィーガンを続ける中で特に気にかけていることはありますか?

健康上は栄養バランスを特に気にかけています。注意さえすればヴィーガン食生活で通常必要な栄養は十分摂れることは知ってはいますが、実際のところ料理に関しては食材選択から勉強中です。そのため、B12やDなどのビタミン剤をしっかり摂るようにしています。

今のところ健康診断は問題なく日常的に不自由はないですが、気持ち的にはヴィーガニズムを理解している栄養士さんに相談したいです。また科学的に、そして個人の体調や体質ごとに、より安定した生活を送るためには勉強を続けたいと思います。

IKUKO BOOKS

Ikukoさんにとって本はなくてはならない存在。
読書そのものを楽しみ、そしてファッションの仕事やヴィーガンとしての生き方においてもヒントを得るIkukoさんの本のセレクションは、彼女自身を表している。

7.  ヴィーガニズムに関心がある方やこれからヴィーガンになろうと考えている方に、アドバイスをお願いします。

両者へ。

とにかく色々調べることをおすすめします。今はネットで様々な情報を得ることができるので、気軽に検索し始めることができます。読むのが苦手な方は、ドキュメンタリー映画や動画もありますので、自分が好むメディアを利用できると思います。

あとは、恐れず挑戦してみてほしいです。色々な理由でヴィーガンとなっている人がいると思います。どの理由もその人が考えて決めたことであるはずなので、胸を張って楽しみながら取り組めると、これから経験するかもしれない難しいことにとらわれず自分らしく生活できると思います。

8.  そのほか、メッセージやコメントがあればどうぞ。

私はヴィーガンですが、決して完璧なヴィーガンではないです。日々新たな知識を得ることを心がけ、このライフスタイルを少しずつ自分でももっと納得できるよう励んでいます。

悲しい思いをすることや、フラストレーションを感じることも多いのが現実です。しかし、自分が深く考えて選択した生き方なので後悔することはないですし、さらに視野を広げるきっかけにもなっていると思います。

私がヴィーガンであることで、他のヴィーガンと出会うことができたり、ヴィーガニズムを他の人に知ってもらうきっかけとなることもあります。ヴィーガニズムは環境・生き物・人間にとっていいことばかりで、そしてそれに貢献できているのは純粋にとても嬉しいです。近い将来、ヴィーガニズムを理解できる人たちが増えることに期待します。

IKUKO TRAVEL

東京、プラハ、ヘルシンキ、パリ、そしてニューヨーク。
自分にとって心地いい居場所を飛び出し違う世界を見ることは、新しい何かを吸収する上ですごく大切。

写真提供: Ikuko

編集後記

初めての東京在住ヴィーガンのインタビューはやはり、ヨーロッパやアメリカとは少し異なる印象が残った。

冒頭で触れた、私が彼女がヴィーガンであると知った「ふとしたきっかけ」 – それは昨秋彼女がニューヨークオフィスに出張に来ていた時のことだった。誰かのバースデイでケーキが振る舞われ、彼女にもスライスを渡したところ、「私はヴィーガンなので・・・」と手に取らなかったのだ。

当時私はベジタリアンで極力ヴィーガンな選択をしようと心がけていたところ。しかし会社で人が多くいる中での誰かのお祝いのケーキとなると、卵や乳製品が入っていても断らず食べていた。なので、シンプルかつはっきりと自分の意志を示した彼女を目の前にし、私が次にあるべき姿を見つけたのを覚えている。

個人の尊重が重んじられヴィーガニズムの浸透が進んでいるニューヨークでも、当初私はどこか妥協してしまっていたくらいなので、ヴィーガンへの理解がまだ未発達な日本でヴィーガンを貫く彼女の悩みや気苦労は計り知れない。ストレスや落胆もあることだろう。

そこでやはり重要になってくるのは、まさしく彼女の言葉通り「自分が深く考えて選択した生き方なので後悔することはない」という意志と、「さらに視野を広げるきっかけにもなっている」という前向きさなんじゃないかな。がっかりすることがあっても、自分がヴィーガンを選んだ時の気持ちを振り返ることと、ヴィーガンとして生きることで得られる明るい未来を大切にすること、この2つはどの街にいても忘れてはいけないことだと、彼女のインタビューを通して改めて感じた。

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