サステナブルライフスタイルを目指す上で気にかけている5つのこと

実は正直に言って、私は「サステナブル(持続可能な)」や「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉があまり得意ではない。あまりにぼんやりしていて具体性がないため、つかみどころがないように感じる。

私が自分の生活・これからの人生におけるサステナビリティを意識し始めた際に感じた数々の混乱はおそらくそこからきていた。メディア、ソーシャルメディア、ユーチューブ、ポッドキャストなど、いろいろなソースから情報を得る中で、特に個人レベルでのサステナビリティは人によって捉え方や尺度が違うし、関わる各項目における優先度も異なってくる現象が起きる。

手探りながらも小さなことから様々な心がけや取り組みを進めてしばらく経った今、当初の混乱は一つのコアとなるコンセプトにたどり着いた 。

サステナビリティはみなに共通する目的であって、手段は人によって異なる

これを意識するようになってから、気持ちがだいぶ楽になった。もちろん、現在の環境破壊の規模とスピード、世界や社会の不均衡などの大きな問題を考えたら、政府も企業も、そして個人も、現状を変えていくべき。でも現実は、生活スタイル・住んでいる環境・健康や身体の状態・経済状況などは様々で、そして何よりアイデンティティがそれぞれ異なる。その中で、各個人ができることにおいては、今までのライフスタイルを見直し、できるところから積極的に新しいアイデアを取り入れて実践していくことを尊重したいと感じる。

私の中で考えがこのようにまとまった中、私自身が自分にできるサステナビリティを目指す上で気にかけているポイントを5つ、まとめてみようと思う。

THE LITTLE WHIM は「好きなものは好き」と「循環の中に暮らす」の実現をテーマとしていて、自分自身とその周りへの compassion(思いやり)を大切にしていきたいと考えている。それに賛同できる方で、サステナビリティへの取り組みを始めよう、もしくは始めたけれど迷い子になっているという方と、何かアイデアを共有できたら嬉しいな。

1. 段階的に進めていく

新しいことを始める上で何においても共通して言えるのは、焦らずにステップ・バイ・ステップで目標とする姿に近づいていくこと。語学、スポーツ、音楽など、なんだってそうだよね。サステナビリティもそれと同じ。

環境破壊の加速になかなか追いつけず、システムの不均衡を目の当たりにしながら何もできないのを、歯がゆく感じることもあると思う。でも忘れてはいけないのは、「何もしていなかった」から「何か始めた」のはまず大事な第一歩。そこからより多くのことを考え、調べ、視野は広がっていき、できることは増えていく。

あくまで大切なのは「もっとよくなっていきたい」という気持ちであり、過程を踏みながら進んでいくこと。高過ぎる無理な理想を掲げるより、現実的な段階を踏む方が長い目で見たら成功への近道なことが多い。単語や文法を少しずつ活用していくのと同じ。水泳のタイムを少しずつ上げていくのと同じ。ギターのコードを少しずつ覚えていくのと同じ。

2. 自分の現状に合った目標を見つける

最近はサステナブルライフスタイルにフォーカスしたインスタグラムやユーチューブがたくさんあり、そこからアイデアやインスピレーションを受ける人も多いと思う。フードウェイストやプラスチックゴミを減らす、賢い購買選択をする、買わずに再利用やDIYをするなど、自分の生活に導入できる具体的なヒントがたくさん見つかる。

これらを取り入れる上で気をつけたいのは、自分の実際の生活やスタイル、そして現実的に目指せる少し先の未来くらいの目標に合ったアイデンティティを見つけること。あなたにとって超理想的なサステナブルライフスタイルを送っている人も、いきなりそこにたどり着いたわけではないはず。最終的な目標があるのはいいことだけれど、段階的に進める上で手近な目標を持っておくことの方が意味があると感じる。

きれいなビジュアルやフォトジェニックなライフスタイルに気をとられないことも大切。自然光や完璧なライティングの中、きれいなバックグラウドが映りバランスのいい加工がされた写真や映像は目には楽しいけれど、実生活におけるサステナビリティは決して「映え」なくていいんだから。

3. 「私一人が変えたからって・・・」

個人でできることには限りがある。始めたばかりは特にそれを強く感じて、「てかこれ意味あんのかな?」と思ってしまう。でも何十億という個人で成り立っているのがこの世界。一人が変えたからって大きな変化は生まれないけれど、誰も変えないことには、何も変わらない

架空の数字で簡略化して表してみる。全体で100人の社会で、サステナビリティを1人当たり最大10点のポイント制で採点するとする。

10人の素晴らしくサステナブルな人が8点を獲得し、残りの特にあまり取り組んでいない90人は1点ずつだとしたら、合計ポイントは (8点 × 10人) + (1点× 90人) = 170点だ。

一方でみながまんべんなく着実に意識を高め可能な取り組みをしていたとして、100人全員が5点をとったら、合計ポイントは 5点 × 100人 = 500点になる。

これはひとえに、各個人が努力をしたら実現できること。一握りの人がものすごく頑張るより、みなが可能な限り取り組む方がインパクトは大きいと考えたら、「私がやったって・・・」という気持ちは薄まるんじゃないかな。

4. 企業を見守りながら
不満点は伝える

個人の意識改革や活動は重要だけれど、圧倒的にもっと大きなインパクトをもたらすのは企業のサステナビリティ。多くの企業が原料・パッケージ・サプライチェーン・労働状況・環境保護活動など多くの項目においてサステナブルな計画を発表している。

その中でよく耳にするのはグリーンウォッシング (greenwashing) という言葉だ。これは、環境や社会に優しい取り組みをしているように見せかけて実際にその計画には抜け穴があったり、誤解を招くマーケティングだったりする企業活動のことを指す。

最近は消費者がこのタームに敏感になっており、特に大企業のサステナブルポリシーに対して「ちょっといいことをしているように見せかけてるだけで、これはグリーンウォッシングだ!」という意見を聞くことは多い。「結局は金儲けで、エコをマーケティングに使っているだけだ!」と感じる人も。

1 で述べたように個人でできることを段階的に進めるべきだとしたら、企業がサステナビリティを進めるのが段階的になるのも見守るべきではないのかな。その中で忘れないでおきたいのは、消費者としての声を届けながら見守ること。

例えばサステナブルと謳われているけれど疑問符が残るものが発売されて、ちょうど欲しいと思っていたものがあったとする。100%満足ではないけれど、他の選択肢が手に入りにくかったり、予算オーバーだったり・・・なんてケースもあると思う。

しっかり分析した上で妥協があるまま購入を決める場合は、それを企業に伝えてみては?いいところと、改善を期待したいところを、メールやソーシャルメディア使ってメッセージとして送ることができる。褒められたら伸びるタイプもいれば、厳しく言われた方ががんばるタイプもいるから、どういうアプローチがいいかはわからないけれど、「70点ですが、満足はしています」とか、「満足しているけれど、70点です」といった私たちの意見は大切。

購入して、大満足ではないけれど何も言わなかったら、企業は「売れた!」「消費者は満足している!」と受け取る。残りの30点を、消費者として一緒に伸ばしていく方が、前向きだと思うな。

5. 「できていないこと」は
「これから取り組みたいこと」と考える

先ほど触れたようなサステナブルライフスタイルのインスタグラムなどを見ていると、自分にはまだできていないたくさんのことに気付かされる。自分のやっていることはまだまだで、むしろ結局は何もできていないかのように感じてしまうことも。

でもそれを、「できていないこと」ととらえず、「これから取り組みたいこと」として自分のリストに加えていくといいんじゃないかな。リストが長くなったって、凹むことはない。それだけよくなっていけるということなんだから。

私の中でより前向きになるポイントは、「これから取り組みたいこと」は「できていること」に加えていくということ。「できていること + これから取り組みたいことリスト」にチェックマークをつけていくことで、最終的にとっても長い「できていることリスト」になるよね。


以上の5つが、私がサステナブルライフスタイルを目指す上で気にかけていること。

あーサステナビリティサステナビリティ、とそこにばかりフォーカスしてしまい、自分の生活が殺伐としていまうのは悲しい。でもできることはどんどん増やしていきたい。そんな私の今の気持ちからきているちょっとした、でも実はすごく大切だと思うアイデアです。

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