環境負荷を考えたものの選び方に関する情報は、溢れている。最近サステナビリティやエコといったコンセプトに興味を持ち出した方は、圧倒されちゃうんじゃないかな。
ソーシャルメディア上では特に、ハッシュタグと一緒に様々な「エコグッズ」を見かけるよね。#サステナビリティ、#脱プラ や #プラスチックフリー、#パッケージフリー、#ゼロウェイスト、etc. で画像を見ると、いーっぱい見つかる。
私も2年ほど前、環境問題を気にするようになった頃、インスタグラムなどで見て気になったものがたくさん。そして、リサーチした上で「私はいらないな」と思ったり、残念ながら買ってしまってから「別に必要ではなかったかも」とか「ほかにもっといいものがあったなぁ」と思いながら使っている失敗例も。
これから何か始めようと思っている方 – 慎重になって購入する、そして余計なものは避けることはサステナビリティの要の一つなので、できる限り賢い選択をしたいものだよね。
今回は、エコ関連のメディアでよく見かけるものの中で、私が「本当に」買ってよかったなと思うエコグッズを6つピックアップ。
でもこれは、「買いましょう!」というショッピングリストではなくて、よく見かけるアイテムだからこそ「本当のところどうなの?」と買おうか悩んでいる場合の参考になれば、という主旨。もしくは、読んでみて自分には合わないという気づきになることもあると思う。生活スタイルや求めているものは、人によって異なるもんね。
社会的責任を果たす
保温ボトル
#マイボトル や #マイタンブラー は、エコグッズの大定番で、きっとゴミを減らしたいなと思った時に、多くの人が一番最初に手に入れるアイテムの一つじゃないかな。使い捨ての容器に入った飲み物を避ける上では、長い目で見ていいアイテムだと思う。
私の場合は、5年前学生に戻りパーソンズに通っていた頃から、友人にバースデイギフトとしてもらったボトルを文字通り毎日愛用していた。(ゼロウェイストと言うよりは貧乏学生だったので)外でプラスチックボトルや使い捨て容器入りの飲み物を買うことは余程のことがない限り、なかった。卒業し働くようになってもこの習慣は続いているし、出張や旅行のお供にも。
その長い間使っていたボトルが壊れてしまって、昨年新しく買い換えるにあたって複数のブランドを比較してみた結果、クリーンカンティーン(Klean Kanteen)を選んだ。
クリーンカンティーン ジャパン
https://www.kleankanteen.jp/
Klean Kanteen USA
https://www.kleankanteen.com/
クリーンカンティーンは高品質で幅広いサイズ・デザインのボトルを展開し、アウトドアから都市型のライフスタイルまで、自分にぴったりの機能的なボトルが見つかりやすい。使い勝手のいい彼らのボトルのおかげで、使い捨てされるパッケージに入った飲み物を避けることができる。
とはいえ、保温ボトルのブランドは無数にある。その中でなぜ、クリーンカンティーンかというと、企業として環境や社会への配慮を満たしている証である Bコーポレーション認定を受けていて、そして環境保護活動をする 1% for the Planet プログラムに参加しているから。
更には、製造において、グリーン電力の利用、クレジットによるカーボン・オフセットをしていること、従業員の扱いにおける倫理的責任も果たしていることが、ウェブサイトに明記されている。
選択肢が多いアイテムなので、似たブランドと比べた際に、機能性・品質・デザインに加えて、こういった環境や倫理における責任が決め手になったかな。認定はもちろん必須ではないし、小さい・新しいなどで受けていないところにも、素晴らしいプロジェクトは溢れている。もし候補に上がっているものの中で迷う時に、何か信頼のおける認定受けているかな?と参考にする要素にはなるんじゃないかな。
あとは、細かいことなんだけど、ボトルのタイプ別にフタの種類もたくさんあって、フタだけを買い足すことができるところもいいと思った。フタだけ必要になった時、ボトルごと買わなくていいのは大事なことだよね。
ちなみに私が使っているのは、インスレート TKWide 12oz (355ml)。0℃以上6 時間保温、 9℃以下6 時間保冷のタイプで、夏も冬も無敵。
隔離生活で使用頻度が増えた
ステンレスストロー
続いて、同じくインスタグラムなどでよく見かける #マイストロー。プラスチックや紙などの使い捨てになる素材ではなく、何度も使用できるものを長く使いたいもの。
私は2年くらい前に、ブルックリンはウィリアムズバーグにある Package Free Shop でステンレスタイプを購入した。当時はあった5本セットで買ったんだけど、バラ売りで似たものはこちら。
買ったばかりの頃は、ゼロウェイストやプラスチックフリー新参者で、エコグッズを手に入れたことに喜びを感じていた気がする(今となってはとほほな話です)。それ以来持ち歩きセットにも必ず入っていてずっと使っているんだけど、正直言って、必須ではないかなと思うところもあった。私個人的にはストローそのものがなくても困ることはないので、これは、「エコだと思って買い足したけれど本当はいらなかったかも」アイテム疑惑が・・・。
それが!!!2ヶ月前から想像にもしていなかった自主隔離生活が突如始まり、オンラインで会議やミーティングをすることが急激に増えた。会話が長引き喉が乾いて水を飲みたい時に、ストローがあるとなんと便利!目線はそのままに、こぼす心配もなく水分補給ができるのは、すごく助かるよね。
ストローを以前よりずっと活用するようになったけれど、とはいえ、使い捨てはもちろん嫌。2年以上経って、ありがたみをすごく感じているよ。
土に還るスマホケース
2020年7月から、Pela Case のアフィリエイトパートナーになりました。私自身は2019年8月に自費で Pela Case を購入し、ブランドのポリシー・商品のクオリティがとても気に入って愛用しています。記事の内容は正直なレビューとして書いたものです。
スマホは、環境や倫理の点において多くの課題があるのが現状。でも生活や仕事において必須になっている方も多いのでは。その中で、修理や部品交換がしにくいシステムが構築されているスマホを壊さず長持ちさせる保護ケースは、どう選んでいる?
昨夏 THE LITTLE WHIM でも取り上げたことがある Pela Case(ピラケース、日本語ではペラケースかな?)が、私はとても気に入っている。
Pela Case
https://pelacase.com/
詳しくは以前の記事を読んでもらいたいんだけど、このケースは、カナダで余剰になった亜麻仁から作られている100%プラントベース。土に埋めるだけで、特別な設備も何も必要なく堆肥化が可能。
そして Pela も、クリーンカンティーン同様、Bコーポレーション認定を受けており、1% for The Planet のメンバー。そして Climate Neutral でカーボンフットプリントを公開している。社会的責任に誇りを持っている。
最近仕事の関係で iPhone を買い換えた夫も購入し、しかも2人ともブラックを選んだため狙っていないオソロイになってしまった!彼も、Pela のコンセプトもプロダクトそのものも、気に入っているようだよ。
カナダからの発送なので、お住まいの地域によっては輸送における二酸化炭素排出などが気になる方もいると思うけれど、究極な簡易包装で送られてくる上にすごく軽いということも考慮してね。
洗って使える
バンブーでできたパフ
続いてはスキンケアアイテム。拭き取りトナーや保湿のエッセンスなどを使う際、使い捨てのコットンパフに含ませる方は多いんじゃないかな。日常的に使用する場合は定期的に購入し、パフそのものも外容器もゴミになってしまう。
これも、特にアメリカでは、洗って繰り返し使うものが最近は多く出回っている。私は近くにある雑貨屋さんで見かけた、余剰生地を使ったお店手作りのオーガニックバンブーラウンドが10枚セットになったものを、1年と少し前に購入。何度も何度も洗って見た目はへたれてしまったけれど、まだまだ現役で使っている(漂白されていないタイプなので、色は元からベージュがかったアイボリーって感じだったよ)。
たかがパフ、と言っても年間で考えたらすごい量のゴミ。あとは、紙っぽいと思いがちだけれどシートマスク、メイク落としシート、汗拭き取りシートなどは、プラスチック(入り)が主流。リサイクルされない素材のものが依然多いし、例えリサイクル可能だとしても、美容成分が含まれていることも考えたらちゃんと回収されているか疑問を持ちたいところ。
私は週に数回、トナーを使う際にこの洗って使えるバンブーラウンドを使用し、週末にまとめて洗う。大した手間ではないし、パッケージも含めてゴミが出ないというのはすごく気持ちいので、買って大正解だったな。
万能!シリコンバッグ
次は、キッチンから。プラスチックや使い捨てが多用されがちな場所。アメリカでも日本でも大人気の、ジップロックに代わるゼロウェイストアイテム、知っている方は多いのではないかな。
そう、シリコン製のスタッシャーバッグ。
スタッシャー ジャパン
https://stasherbag.jp/
Stasher USA
https://www.stasherbag.com/
7年前、ニューヨークに引っ越してきたばかりの頃、アメリカでは日本に比べてジップロックなどのプラスチック製の使い捨てバッグを豪快にじゃんじゃん使うことに驚いた。義母は何かとジップロックに入れるので、贅沢だなぁなんて思っていた。
でももちろん、それは便利でありつつ、限りある資源を過剰に利用し、大量のゴミを生む行為でもある。
スタッシャーバッグをはじめシリコン製バッグの存在を知った時に、アマゾンで見てみたら、同じコンセプトのプロダクトがたくさん出てきた。内心「ちょっと高いなぁ」と感じていたスタッシャーに比べて安価なものも。
しかし。いわゆる「類似品」に当たる商品をよくよく見てみると、どれもほぼ同じに見える。違う色だったりロゴがついていたりしつつ、結局は同一の工場で生産されている?それってつまり、どこかで安く大量生産されたものが大量に卸販売されていて、それを購入した各社が自社ロゴなどをつけて売っているってこと?さらには、ものによっては「つなぎ」のような成分として石油由来の成分、つまりはプラスチックと同等のものが入っているものもあるみたい。環境に優しいと思って買いたいものが、環境に配慮されて製造されているとは限らなかった場合、それって本末転倒だなぁ。
スタッシャーは、一方で、Bコーポレーション認定を受けており、企業としての信頼がおける。
その他にも、1% For the Planet をはじめ環境や倫理、女性が立ち上げたイノベーションのあるビジネスとしての誇りも持っている。
他にも選択肢がある中でせっかくサステナビリティを意識して購入するなら、先ほどのクリーンカンティーン同様、信頼がおけてサポートしたいと感じる会社から選びたいもの。そう思い、スタッシャーからいくつか購入。
以前書いたコンポストの記事にも登場する、ハーフガロンサイズのものを1つと、サンドイッチサイズのものをいくつか持っている。
特に最近は、(夫は大好きだけど私は苦手な)テンペを調理する際、マリネをするのにスタッシャーバッグが大活躍。以前は、ジップロックは使わない派としてボウルでタレに漬けていたのだけれど、やはり袋に入れて少し揉んでから漬けておくと、ぐっと味が染みる(ので、私も好きになってきた)。あとは、食べ切れなくて悪くなりそうな野菜や果物を小さく切ってスムージー用に冷凍庫で保存する際も、スタッシャーバッグはとても便利。
使い道はまさに自分次第で無限大で、洗って何度も繰り返し使える。ジップロックから切替えたいけれど似た形態のものがあるといいな、という方には、長く使う前提で検討するのはいいと思う。
ゼロウェイストの基本?
ガラス容器
最後もキッチンから。これは特定の商品ではなくて、容器入りのものを買う時はガラスを選ぶという行為。私がゼロウェイストを心がけるようになってから、色んな場面において中心的な存在だな、と思うこと。
プラスチックは悪者!というレッテルが貼られるようになったけれど、では他の素材ならいいの?という議論はよくされる。例えば、プラスチック vs. ガラス。プラスチックは石油からできている上に、何百年も分解されないことが問題になっている一方で、ガラスは重くて輸送における二酸化炭素排出が増えるため LCA (Life Cycle Assessment) で見た際に環境負荷が高い可能性が。そして、割れやすくロスを出しやすい。加えて、ガラスはリサイクル率が高いと言われているが、完全ではない上に、リサイクルに必要となるエネルギー量も多いなどといった問題点が。
参考記事: Plastic Packaging Ban ‘Could Harm The Environment’ (BBC)
プラスチックを避ければいい、と思っていたプラスチックフリーこんにちはの頃の私は、これを知って大ショック!ガラスもダメかぁ・・・でもプラスチックも嫌だなぁ・・・というジレンマ。
そういったモヤモヤに出会った時、(今となって言えることだけど)大事だと思うのは、何事にもプラスとマイナスの面がある – ではその中で、自分ができる最大限のプラスの効果(もしくは最小限のマイナスのインパクト)を出すには、どうしたらいい?と考えること。
パッケージ入りのものを買う時はガラス容器を選ぶ
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ガラス容器は、空になったら洗ってとっておく
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ローインパクトでゼロウェイストな取り組みでできることが増えるにつれて、量り売りなどパッケージフリーで買う機会も多くなり、空容器は活用できる
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新品のメイソンジャーなどを買う必要もなく、節約にもなる
実際に、量り売りで買うオーツ麦で自宅で作るオートミルクの保存用として、
オレンジの皮とお酢で作る DIY キッチンクリーナー用の容器として、
そして切ったネギを再生させるリボベジにも。
プラスチックフリーを選びガラス容器で買うことで、更なるゼロウェイストなことが可能になっている。
サステナビリティとかエコなことって、そうゆうのの繰り返しかも。ネガティブな側面も、そりゃあるよっていう。オプションAの欠点 vs. オプションBの欠点、専門家が言うことにも耳を傾けつつ自分規模でできることを考えた結果、どうポジティブに着地するかは、私次第だよなぁと。
それを、ガラス容器を通して学んだ気がする。
以上6つ!エコといえば目にすることが多いアイテムの中で、私が「本当に」買ってよかったと思うものでした。
冒頭に書いた通り、必要か迷いがあった方で、「よし!それなら買おうかな」と思う方もいれば、「そっかぁ、なんかやっぱりいらないかな」「家にあるもので代用できるかな」と感じた方もいるはず。最終的には、自分のその判断を信じて欲しいです。エコなものに左右されず、エコな気持ちを行動を重視して、それぞれに合う形で選択するのが一番です。