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世界のヴィーガンにインタビュー VOL.6 – アーカンソー在住 JAYSON さん

THE LITTLE WHIM では、アニマルライツや環境、人権への関心が高まるにつれて、ヴィーガンライフスタイルへの意識はどんどん強まってくると考えている。

少しでもヴィーガニズムについて学び、身近に感じ、できることから始め、続ける – そのきっかけを求めて始まった連載、世界のヴィーガンにインタビュー。企画の詳細については以下のリンクから。

INTERVIEW WITH A VEGAN 1000650
新連載企画のお知らせ「世界のヴィーガンにインタビュー」

第6回目はアメリカ アーカンソー州在住 Jayson(ジェイソン)さん

JAYSON PROFILE 500

Jayson さんのプロフィール

生まれてから14歳までを日本で過ごし
それから現在までをアメリカで過ごす。
YouTube でたまたま
『世界で一番重要なスピーチ』を見たことをきっかけに
ヴィーガンになる。
そこからヴィーガンがまだあまり普及してない日本へ向けて
SNSを使って発信を始める。

Jayson さんと聞いてピンとこなくても、すでにヴィーガンの方やヴィーガンライフスタイルに関心がある方は、インス夕グラム上で彼のぺージをフォローしていたり見かけたことがあるのではないかな? そうです、Still a Vegan というインス夕グラムを通して、世界中のヴィーガニズムに関する優れた情報に日本語をつけて公開してくれているあの方です。

普段は情報発信やヴィーガニズムに関する正しく前向きな理解を深める活動をしている Jayson さんだけど、一体彼はどういった人物なんだろう。今日は COOKIEHEAD が、彼に迫ってみることに。大事なことを、優しさ溢れる言葉で伝えてくれています。

1.     いつからヴィーガンになりましたか?そして理由は?

もともと僕のパートナーがベジタリアンで、彼女がよく観ていたユーチューバーの Ellen Fisher さんが、僕がヴィーガニズムに関心を持った最初のきっかけでした。

Ellen さんは、ハワイにすむ3人のお子さんを持つヴィーガン。ある日、彼女がヴィーガンになったきっかけを話す動画を観ていました。その中で、Ellenさんと夫が、「これが私たち夫婦の人生を変えた」と、ある動画を紹介していたんです。

それは、”The Most Important Speech You Will Ever Hear(世界で一番重要なスピーチ)” と題された講演でした。

すでに健康面でヴィーガン だった Ellen さん夫婦は、このスピーチを観て、「その時から道徳面でヴィーガンになった」と話していました。僕はそれまで、ヴィーガンというのは食生活の一種という認識はあったものの詳しく理解していなかったため、その話を聞いて、強く興味を持ったのを覚えています。

シンプルで力強い題名に惹かれるまま、早速「世界で一番重要なスピーチ」を一人で観てみることに。そして、ゲイリー・ヨーロフスキーさんという一人の人物によるスピーチ、そのスピーチが、僕が「ヴィーガンになろう」と決意する理由になりました。

1時間を超える講義であるにも関わらず、台本もなければパワーポイントも使っていなかったことが、その時の僕には印象的でした。このスピーチを一言で表現するなら、一人の人間の「嘆願」。つまり、畜産業の実態を説明した上で、彼にお願いされているような気持ちになったんです。

「これ以上、動物を傷つけないで欲しい」と。もともと食べ物に執着がなかった僕には、お安い御用でした。

次の日から、肉や魚、乳製品、卵を食べない生活が始まりました。

僕を含め、多くの人の心を動かした彼のスピーチに興味がある方は、YouTube で「世界で一番重要なスピーチ」で調べると、日本語字幕つきで観ることができます。

YouTube内、歯車マークの設定項目から日本語字幕が選べます

日本語をはじめ40か国語に翻訳されたこの動画は、特にイスラエルで人気を呼び、イスラエル国民の約8%をヴィーガンに移行させたと言われています。

参考記事: How animal rights activist Gary Yourofsky ‘turned 8% of Israel vegan’ after comparing slaughterhouses to the Holocaust (Metro UK)

ヴィーガニズムに興味がある方には、いつもオススメさせてもらっています。

2.     どのように移行しましたか?

特にヴィーガンライフにおいて中心となる食生活について、お話しします。結論から言うと、ヴィーガンへの移行は、僕にとっては難しいことではありませんでした。

もともと野菜やフルーツが好き。ヴィーガンになる前から牛乳より豆乳派。あとは、肉の代わりに豆腐や豆類を使ったり、ヴィーガンになった当初は、スーパーに行って普段と違うものを買うことに逆に楽しさを感じていたと思います。

ヴィーガンになる前と比べて僕が食べなくなったものは、大きく言えば、肉と魚、乳製品、そして卵です。逆に言えば、その4つのカテゴリーだけなので、それも難しく感じなかった要因の一つだと思います。前までは知らなかった野菜やフルーツを知ったり試したりするきっかけにもなり、個人的には楽しくシフトすることができました。

3.     ヴィーガンになるにあたって、難しさはありましたか?

毎日の食事という面では問題ありませんでしたが、食生活の考え方の違いから、人間関係に難しさを感じる時期はありました。

僕がヴィーガンになった当初は、ヴィーガンではない人との会話の中で、自分がヴィーガンになってから知った動物問題、環境問題、そして健康の問題について、伝えたい気持ちを自分の中に抑え込んでいたように感じました。一方で話す際には、まだ発信を始めたばかりというのもあって、今も苦しんでいる動物たちの立場を考えるあまり、自分の発信が先行してしまった時も。まだヴィーガンについて認識がない方にも伝わるような言葉選びができていない部分もあり、思うように伝わっていなかったように感じます。

JAYSON 2
尊敬するイギリスの活動家、Earthling Ed とのツーショット。車で5時間かけて会いに行かれたそう。

ただ、時間が経つにつれて、ヴィーガニズムを知らない相手の立場を考えながら話せるようになっていきました。今ではいろんな方と、楽しく努力することと一緒に、ヴィーガニズムについて深刻で大切な事実も織りまぜるような会話をすることを心がけています。

4.     周りの反応はどうでしたか?

家族の反応でいうと、両親からは「好きにしたらいいよ」と行ったような対応でした。いきなりの告白で、もう少し反論されると思っていたので、ありがたく感じたのを覚えています。

周りの友達からは、驚かれることもありましたが、理解も得られました。僕の友人の1人は、僕がヴィーガンになったきっかけの動画をシェアしたら、「避けられない場合以外はヴィーガンになる」と言ってくれました。キリスト教徒である彼は、「聖書でも、どちらかと言うと、ヴィーガンの生き方を推奨している」とまで言ってくれました。新しいヴィーガン料理を作ると、たまにメールで知らせてくれます。そんな彼も、もう2年近くヴィーガンを続けてくれています。

5.     Jayson さんのヴィーガン事情をおしえてください。

僕はアーカンソー州というアメリカの南部に住んでいて、さらには都市型の環境ではないということもあって、いわゆるヴィーガンレストランというものはとても少ないです。僕の住んでいる近辺では、車で30分のところに1軒だけヴィーガンレストランがあるくらいです。なので、外食は少し難易度が高くなります。

スーパーで買い物する場合であれば、ここ1、2年でヴィーガン食品の選択肢がだいぶ増えてきた気がします。アメリカはヴィーガン市場が進んでいるイメージを持たれているように感じますが、国が広いこともあって、州によってヴィーガニズムが進んでいるところもあれば、まだ遅れている地域もあります。その中でも、アーカンソー州はまだ遅れている方だと言えるかもしれません。

それでも、ヴィーガンでいるのに困ることは、今のところありません。

6.     健康上や生活上、ヴィーガンを続ける中で特に気にかけていることはありますか?

ヴィーガンになる前は、食事の際に栄養分などあまり気にしないでずっと食べていました。ヴィーガンになってから栄養学について調べることが習慣づいたせいか、以前より健康に関しては自信がついた気がします。調べれば調べていくほど、人間が生きていく上で、動物性食品がいらないことの確信が強くなっていきました。

中でも、世界で最も平均寿命が長い人々が住む、世界中に5つある「ブルーゾーン地域」の人たちの食生活をできるだけ真似るようにしています。ブルーゾーン地域に住む人たちは、食生活の95%が植物性の食材で、主に豆腐、穀物、野菜、ナッツ類が大部分だったそうです。

参考記事: Blue Zones Food Guidelines (Blue Zones)

今では医療が進み、たくさんの病気を抱えながらも、薬を頼りに生きている方々を何人も知っています。僕はまだ20代ですが、同じくらいの歳でも、そういった理由から悩んでいる方たちも。

それが、テレビをつければ、お世辞にも健康的とは言えないファストフードのコマーシャルばかり。

もちろん、何を食べるかは個人の自由だと思っていますし、経済的背景や暮らしている環境によって左右される部分があるのも理解しています。ただ同時に、病気になっている人のどれくらいの割合が、その病気が未然に防げるものだと教えられてきたでしょうか?病気になって悲しいのは、個人だけとは限らないと思います。家族や友人、恋人やお子さんたち、その方を気遣う周りの方たちみんなです。

大切な人との健康面での会話は、場合によっては、理解してもらえず疲れることもあるでしょうが、相手の健康を願うなら必要なことのように思います。

7.     ヴィーガニズムに関心がある方やこれからヴィーガンになろうと考えている方に、アドバイスをお願いします。

ヴィーガニズムに興味を持って、次の日からヴィーガンになる人もいれば、時間をかけて一つずつ変えていく人もいます。自分の生活状況に合うやり方で変えていくと、色々な発見があり、自分の変化を楽しんでいけると思います。

今までは見えていなかった事実をたくさん知って、周りに伝えていきたいと感じる方も、たくさんいると思います。実際に、僕がそうでした。

どんな人にでも伝わる伝え方があれば、それほど嬉しいことはないですが、人によって伝わり方も変わるので、その人個人にあった伝え方を考えてみるといいかもしれませんね。

8.     そのほか、メッセージやコメントがあればどうぞ。

「700億」と「1〜3兆」。

最初の数字は、食料として年間で殺されている陸生動物の数で、次の数字が年間に殺されている海洋動物の数だそうです。

参考記事:
陸生動物
Meat and Dairy Production (Our World in Data)
海洋動物
Reducing Suffering in Fisheries (Fish Count)

ちなみに陸生動物に関しては、僕が発信を始めた2年半前は「560億」と言われていました。つまり、その時から比べて年間に殺される動物の数は大幅に増えていっています。

参考記事: 11 Facts About Your Food That Will Shock You (Forbes)

次に考えてみて欲しいのが、そんな膨大な数の動物たちに与える「飼料」と「水」、彼らから出てくる「排泄物」、彼らを飼育するために必要な「土地」、産業や動物から排出される、地球を温める効果があると言われている「二酸化炭素」や「メタンガス」。

どれも畜産業が、環境問題の大きな原因の1つと言われる理由です。

JAYSON 1
オンライン気候ストライキにも参加。「食生活の変更で気候変動に対抗しよう」と、環境面からの畜産の問題点を伝えている。

さらには、「飢餓」に苦しむ子どもたちがたくさんいる中で、代わりに満腹に太らされているのは、僕ら人間が食べる「動物」たちです。

世界で生産されている大豆の「約85%」が家畜の飼料として使われています。一方で、たったの「6%」が、僕ら人間の食料として使われています。

参考記事: Soy Facts (Oilseed and Grain News)

世界の死亡原因のトップは過去15年間、「心臓疾患」でダントツ1位です。毎年1,500〜1,700万人の方が亡くなっているそうです。その主な原因は、動物性食品に多く含まれるコレステロールと飽和脂肪酸の過剰なまでの摂取です。

参考記事:
Cardiovascular Diseases – CVDs (WHO)
The Top 10 Causes of Death (WHO)

これらはすべて、僕たち一人一人が動物たちに優しい選択をすることで守れるものの、ほんの一部です。

その人がヴィーガンであるかどうかに関わらず、僕たちのほとんどが畜産・酪農業で動物に起きていることを容認するはずのない、平和な心を持った人たちだと感じています。

僕も2年半前までは、何も考えずに「動物」を食べてきましたし、考えるきっかけに出会えないでいたら、今もずっと食べ続けていたと思います。

本当に、知ることができてよかったと思っています。

もしも、今回少しでもヴィーガンについて興味を持ってもらえたなら、ぜひ時間のある時にでも、自分でも調べてみてください。

最後に、個人的にオススメなドキュメンタリーをいくつか紹介させていただきます。

TheGameChangers

「ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実」
(原題: “The Game Changers”)

ネットフリックスか iTunes で視聴できます。健康面の知識が欲しい方や、アスリートの方にオススメ。

cows

「カウスピラシー」
(原題: “Cowspiracy”)

ネットフリックスで視聴できます。僕たちの食生活が環境に及ぼす影響に迫ります。

dominion

「ドミニオン」
(原題: “Dominion”)

YouTubeで視聴できます。(各国語で字幕が用意されており、日本語も設定可能)畜産業の裏側で動物たちに起きている事実を、ありのままに伝えています。(刺激的な映像を多く含むので、閲覧注意)

Still a Vegan
インスタグラム
フェイスブック
ツイッター

写真提供: Jayson

編集後記

Jayson さんとは、インスタグラム上で交流を深める中、ずっとお話を記事にさせてもらいたいと思っていた。彼が発信する情報からは、ヴィーガンになる前も今も、多くの学びと考えるきっかけをもらっている。その彼が自分自身を軸に話す言葉からは、一人のヴィーガンとして、そして活動家としても、原動力になっているのは思いやりと優しさであることが感じられる。

特にアメリカのように多様性が溢れる国では、ヴィーガニズムの印象や理解には違いが表れやすい。日本でも、ヴィーガニズムがより浸透するにつれて、意見の相違は表に出やすくなるであろう。彼の言う、「自分も知らなかった時期があることを思い出す」ことと、「人によって伝わり方も変わるので、その人個人にあった伝え方を考えてみる」の2つのポイント。発信をされている方、そうでなくても周りとのコミュニケーションをスムースにしたい方、どなたでも気にかけたい大切なことだと改めて感じる。

Jayson さんはいつも、アニマルライツを重点にしつつほかの側面においても、客観的事実を冷静に捉えながらヴィーガニズムについて考えさせ、気持ちに響かせてくれる。自分の選択や行動は、動物、地球環境、人権、そして自身の健康とそれがもたらす周りの幸せにまで影響を及ぼすこと – 点と点をつなげてくれる彼のこのインタビューを読んだら、今まで関心がなくても、ヴィーガニズムに大きな可能性を感じてくれた方もいるんじゃないかな。

そして、情報が限られている日本でのヴィーガニズムの真の理解を深めるため、心に訴えかける秀逸な言葉を日本語にしてくれている Jayson さんには、改めて感謝を伝えたい。「本当に、知ることができてよかったと思っています」と言う彼に対し、同じように思っている方はすでに大勢いらっしゃるだろうし、今後も増えていくことだろう。

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もしインタビューに参加していただけるヴィーガンの方がいらっしゃいましたら、info(at)thelittlewhim(dot)com まで是非ご連絡下さい。日本・海外、どこに在住でも大歓迎です。詳細をお送りします。

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