私は、昨年からコスメのローバイ(low buy: 購入を控えること)を続けている。好きだから、楽しいから、と増えていき、気づけば家には必要の範囲を大きく超える量のコスメが・・・(お恥ずかしい話です)。なので今は新しいものは買わず、といっても我慢という感じではなく楽しみながら、持っているものを使い切ることに集中している。
コスメって、キッチンにある醤油や料理油のように減りが目に見えるわけではない。じわりじわりとなくなっていく。突然のようにいわゆる「底見え」が起き、そこからもまだじわりじわりと減っていく感じ。その中で、プロダクトのフォーミュラによって使い切りやすさって違うなぁと感じる。最後まで使い切れるものと、そうでないものがある。
なので今日は、コスメのフォーミュラごとに、使い切りのしやすさを比べてみることに。
リキッド、クリーム、パウダー、etc. コスメのフォーミュラは、たくさんある。肌質や仕上がりの好み、機能性によって、選び分けしている方が多いと思う。
もちろんプロダクトによって粘度や硬さなどは違うし、容器の形状も影響するので、使い切りやすさを一概には語れない。私が持っているものの範囲での話になるので全てを網羅しているわけでもない。それらを踏まえた上で、無駄を出さずに、持っているものを最大限に使い切り、最後に空っぽにしやすそうなものはどれかな?という目線で考えてみたい。
リキッド
まずはリキッド(液状)のものから。ベースメイクからカラーメイクまで、幅広くリキッドタイプは展開されている。
私が特に愛用しているファンデーションはリキッドで、ガラスボトル入りのものとプラスチックのチューブ入りのもの。
ガラスボトルは使用後、好きなデザインだったら花瓶やペン立てなどとして再利用がしやすい。ガラスはリサイクルをしやすいし、私が持ち込みをしているアメリカのテラサイクルでは必ず受け取ってもらえる。(日本のテラサイクルはこちら)
もう一つは、本当は避けたいプラスチックの容器。写真のようなチューブタイプは、旅行への持っていきやすさがあるのも事実。
ガラスボトルは、形状にもよるけど使い切りにくさはあると思う。写真のものはポンプ式になっているので、残り少なくなると毎回ポンプ部分を取り外して逆さにまでして出せる分出し切るんだけど、やはり残ってしまうかな。
一方プラスチックチューブは、最後はハサミで切って、根こそぎ使い切ることができるのはいい(母が実家で歯磨き粉チューブを切っていたのを思い出す)。
続いてはチップ式(英語だと doe-foot applicator)のコンシーラー、リップグロス、アイシャドウ。リキッドリップスティックも人気があるんじゃないかな。
独特のフォーミュラが持つツヤが楽しめるけれど、圧倒的にプラスチック容器なことが多い。最近は再生プラスチック利用パッケージのリキッドリップスティックも出てきたので、この形状が好きならせめてバージンプラスチックを避けることはできるようになっていくかも。
使い切りやすさに関しては、だんだん中身が減るにつれてチップで取りにくくなる。そして蓋をしっかり閉めていてもどうしてもプロダクトそのものもチップも乾いてきてしまって、最後の方はテクスチャが変わってきてしまう。容器の内側にこびれついた感じになる。
リキッドタイプの使い切りやすさ
ガラスボトル: ★★★☆☆
チューブ: ★★★★☆
チップ式: ★☆☆☆☆
クリーム
リキッドタイプとは違い、固形なフォーミュラ。こちらもカテゴリーが幅広い。
ファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ、チークブラッシュ、リップスティック・・・。私は固形のクリームタイプのプロダクトが実はすごく好き。仕上がりに自然なツヤがあって、慣れさえすれば失敗しにくい気がする。
クリームタイプは壊れたり溢れたりの心配が少ないため、取り扱いがしやすい。この特性を生かし、詰め替え用の販売をしているブランドも増えている。ゴミを減らす上でとてもいい傾向。
さらに、クリームタイプが好きなもう一つの理由は、ガラスのポットタイプの容器が多いこと。使用後は小物入れとしても、 DIY のマスクやリップバームなどを入れる容器としても活用できる。
使い切りやすさも秀逸。崩れたりすることなく最後までしっかり指やブラシでとることができる。アイブロウを写真のクリームタイプ(ポマード)にしてから、比較的すぐ無くなってしまう上にプラスチックなことも多いアイブロウペンシルを、買わなくなった。乾きが気になる際は、ホホバオイルを数滴垂らすと復活。
クリームタイプの使い切りやすさ
クリームタイプ全般: ★★★★★
パウダー
日本は、アメリカよりパウダーファンデーションの人気が高いイメージ。その他にもフェイスパウダー、アイシャドウ、チークブラッシュなど、パウダーフォーミュラなものは多い。
パウダーは商品展開が多いので、クリーム好きとはいえ、パウダータイプのアイシャドウやチークブラッシュも私は愛用している。パウダーは水分が少ないため、バクテリアが繁殖しにくく持ちがいいと言われている。容器は、金属、バンブー、紙、プラスチックなど様々。
参考記事: When to Toss Out Beauty Products (Paula’s Choice)
プレスされたパウダーものの難点は、減ってくるにつれて薄い部分ができて、崩れてくること。落としてしまった時の粉々になる悲劇的経験も、珍しくないのでは。自分でプレスし直したこともあるんだけど、どうも最後にはボロボロになってしまい使い切るのは難しい。
写真のチークブラッシュはパウダーの仕上がりだけれど、実はベイクドタイプで、クリーム状のフォーミュラを焼いてパウダーにしたもの。ベイクドタイプはドーム型になっていることが多い。
仕上がりはパウダーとクリームのハイブリッドのようで、程よいツヤが出て好きな反面、柔らかいので時々ブラシをぶつけてしまったりして崩れることが。
仕上げに使うフェイスパウダーは、プレストタイプとルースタイプ、どちらも人気がある印象。
プレストタイプはコンパクトで持ち運びに便利な反面、先ほど同様やはり減るにつれて崩れやすく、粉々になってしまいやすい。
ルースタイプは、容器が大きいことが多いし扱いにくさはあるけれど、元々ルースなので隅っこに残ったものまで使い切りやすさがある。
パウダータイプの使い切りやすさ
プレスト: ★★☆☆☆
ベイクド: ★★☆☆☆
ルース: ★★★★★
ペンシル
最後はペンシル。私はアイブロウはポマードを愛用、最近はリップペンシルは使わないので、持っているのはアイライナーペンシルだけ。
鉛筆のように木でできていて、シャープナーで削るタイプのものは、ノープラスチックなところがいい。そして削り方によって細くも太くもできる。ただ、いくら上手に削っても、最後の最後まで使い切るのはほぼ不可能。
くるくる回すと出てくる繰り出し式のものは、パッケージはプラスチックなことが一般的。一方で、丁寧に使用すれば最後まで使い切ることができる。
ペンシルタイプの使い切りやすさ
鉛筆: ★★☆☆☆
繰り出し式: ★★★★☆
おまけ
コスメを長持ちさせ、使い切る上で欠かせないと私が思うのは、ブラシ。
指で直接プロダクトに触るより衛生的。私が愛用しているブラシはどれも動物性の毛を使っていないもの。化学繊維を好まない方もいるかもだけど、動物の利用・搾取がない上に、手入れが楽で、乾きが早く菌の繁殖を防ぐことができる。適切に手入れをすれば長持ちする。
指でのメイクアップの仕上がりが欲しい場合も、ブラシでプロダクトをとり、そこから指に乗せる。
私が持っているものや経験を踏まえて、「コスメのフォーミュラ、使い切りやすいのってどれなんだろう?」の結論は・・・クリームタイプに。元々仕上がりが好きなのもあるので、これは嬉しい結果。
きれいに使い切るのは無駄にしないという点で大事な上に、(可能な場合)容器を再利用やリサイクルがしやすくなるケースも。私がコスメを選ぶ大事な柱は
- クルエルティフリー(動物実験をしていない)
- ヴィーガン(動物由来成分を含まない)
- 環境・人権・人体への配慮があるブランド
- ゼロウェイスト/ローウェイスト *
* これは今あるものを使い切ってからより徹底していきたい課題
なんだけど、そこにもう一つ、使い切りやすさも考慮に入れていきたい。
私は専門家ではないので、参考程度・読みもの感覚で楽しんでいただき、「使い切ること」について一緒に考えていけたら何よりです。