2020年ならでは?お気に入りのヴィーガン & クルエルティフリー リップアイテム

THE LITTLE WHIM は、ヴィーガン & クルエルティフリーのビューティ関連情報を求める中で見つけてもらうことが多いみたい。サステナブルでエシカルなコスメのコンテンツにおいて、リクエストをいただくこともある。

だけれど、今年はビューティのテーマはあまり更新してこなかった。変化や混乱の波が次々押し寄せる中、そもそも私自身の気持ちがビューティに向かなかったから。そしていくら大好きといえど、ビューティをたしなむ感覚そのものが少なからず下降した。

時期や期間、規模は異なれど、今年、世界中の多くの方々の生活には何かしらの変化があったはず。ニューヨークに住む私の場合は、その始まりは3月だった。そこから、一時期は週に一度も出かけなくなり、スクリーン上でのコミュニケーションが激増し、マスク着用が当たり前になった。

そういった人々の生活の変化から受けた、メイクアップやサロン関連など、ビューティ業界のここ数ヶ月の大きな打撃の事例を聞いて、納得する(それはどの業界も、今年の不測の事態から、アップもあればダウンもあるわけれだけど)。私の周りでも、たとえばリップ… 出かけない、マスクにつく、などの理由で、今リップを楽しむ気にはならない!みたいな声を実際によく聞く。

うーん、リップねぇ… 自分自身をよーく振り返ってみるとどうだろう。たしかにリップスティックやリップグロスの使用回数はかなり減った。でも、もっとじっくり考えてみると、今年ならではのお気に入りリップアイテムと、その裏に今年ならではの背景がある気がする。

なので今日は、あまり愛されなかったかもしれない不遇の年を送ったリップアイテムに、あえて焦点を絞ってみる。久しぶりのビューティ記事、楽しみながら読んでもらえたら嬉しいです。

<参考>
ヴィーガン: 動物由来の成分が含まれていない
クルエルティフリー: 原料・製品の製造・開発・市場参入の過程で、あらたに動物実験を必要とする手段がとられていない
※ THE LITTLE WHIM では、ブランドはクルエルティフリー、プロダクトはクルエルティフリーブランドの中からヴィーガンのものを選んでいます。しかしブランドによってはヴィーガンではないプロダクトを扱っている場合もあるので注意が必要です。

VEGAN LIP BALM, MEOW MEOW TWEET

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まずはケアプロダクトから。マスクを着用するようになって、唇の乾きと荒れに悩まされているの、私だけかなぁ。なんだかガビガビっとしてしまう。それを解消してくれるこの Vegan Lip Balm は、気に入っていて2本目。サステナブルでエシカルなプロダクトなんだけど、それにしてはいい、のではなく、そしておまけにすごくいい。

Meow Meow Tweet は、ニューヨーク州北部を拠点にする、ヴィーガン & クルエルティフリーのパーソナルケアブランド。余計なものを含まず、安全でクリーンな原料を厳選している。(ブランド名もビジュアルも、やたらと猫なのが個人的にポイント高し。)

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そしてこのブランドの展開のいたるところに、ゼロウェイストのアイデアが詰まっている。このリップバームは、再生紙製でプラスチックフリーのパッケージ。そのほかのプロダクトも、容器はガラス製やアルミ製で、一部の小売店で詰め替えサービスを提供している。

Meow Meow Tweet のデオドラントも登場する、2019年7月に書いた「PLASTIC FREE JULY! コスメオタクが選ぶプラスチックフリー ビューティ」の記事は、今も読んでくださる方が結構いるよう。コスメパッケージの配慮への高い関心を感じる。

だけれど実際に、すべての化粧品をプラスチックフリーにするのは簡単ではないよね。持ち歩きなどを考えると、プラスチック容器の利便性というのはある。気に入るものを見つけそれをしっかり使い切る上で、容器が最優先項目にならない場合もある。

その中で私は、「色気のないもの」から率先して、ゼロウェイストやプラスチックフリーを取り入れている。「色気」の基準は人それぞれだと思うけれど、私の場合は、シャンプー・コンディショナー、洗顔や体洗いなどバスルームで使うもの、デオドラント、そしてリップバームもその一つかな。

ちなみにリップバームは、ヴィーガンで気に入るものに出会うまで、実はそれなりに時間がかかった。一般的にリップバーム(色つきを含む)によく使われる動物性の成分は、

ビーズワックス、ミツロウ
英語の成分表記: beeswax, Cera Alba

ラノリン ※羊毛からとれる油脂
英語の成分表記: lanolin

コチニール色素 ※昆虫由来の赤色色素
英語の成分表記: carmine, CI 75470 など

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Meow Meow Tweet は、これらが入っていないヴィーガンフォーミュラである上に、主要成分はオーガニックで、フェアトレード。そして潤いもその持続力もあるので、もうこれ以上ないってくらい気に入っている。

くわえてこのブランドは毎月、近郊地域の環境保護団体を中心に寄付を続けている。

DIY リップスクラブ

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マスクでガビガビになってしまった唇に、潤いを与えるのも大事だけれど、その前にスクラブで余分なものを取り除くとより効果的。

私は、リップスクラブはDIYしちゃう。ヴィーガン&クルエルティフリーのレシピはこんな感じ(お好みで調整してください)。

  • アガベシロップ 0.8
  • ココナッツシュガー 1
  • アボカドオイル 0.2

砂糖とオイルはほかのタイプでも代用可能。これらを混ぜて、小さな容器に入れるだけ。原料の横にある数字は割合の目安だけれど、品質管理上、大量に作って置いておくよりはこまめに用意した方がいいかも。私が繰り返し使用している容器は、以前使っていたリップバームが入っていたもの。

このスクラブを、シャワーを浴びた後に指に少量とって、唇の上でくるくるくると優しくマッサージ。ぬるま湯で流して、リップバームを塗ればガビガビやらガサガサやらが解消されて、ツルツルに。

DIYのスキン/ボティ/ヘアケアに関して、特に家にある材料で代用するものはさまざまな理由から私は基本的には取り入れていない(この辺についてはまた機会があれば…)。だけれど、このリップスクラブだけは、すぐに洗い流すものだし、使い心地に満足しているよ。

KUSH LIP GLAZE, MILK MAKEUP

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続いては色つきのリップグロス的なこちら、KUSH Lip Glaze。1年ほど前にリリースされた際、お仕事の関係でテスト用にいただいたもの(レビューをする義務はありません)。

当初から気に入ってはいたのだけど、マスクを着用しながら外出を少しずつするようになってから、大いに活躍するようになった。

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その理由は手軽さ。チューブ式でぱっと見はリップバームのよう。そして唇にのせやすいアプリケーターなので、マスクを外し、うるっとツヤっとリップメイクしている感が欲しい!という際に、一般的なリップスティックやリップグロスに比べてささっと塗れてすごく便利。

私が持っているのは Nova というオレンジがかったヌードカラー。ほどよいグロスっぽさと密着力がある。

Milk Makeup は、ニューヨーク発のヴィーガン & クルエルティフリーブランド。くわえてグルテンフリー。多様な肌の色やジェンダーが楽しめるビューティのメッセージを積極的に送っている。

ものすごくクリーンなブランドではないと思うけれど、パラベン、フタル酸 (Phthalate) 、BPA やマイクロビーズ(プラスチック)、認定なしのパーム油、そしてサンゴ礁を破壊する恐れのあるサンスクリーンなどは不使用。それらがわかるよう、ブランドの原料におけるガイドラインが明示されている。

STUNNA LIP PAINT, FENTY BEAUTY

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最後はリキッドリップスティック、Stunna Lip Paint

マットなリキッドリップスティックは、好みが分かれると思う。一般的に言われているいい点は、発色がよく、色移りしにくくロングラクティングなところ。一方で悪い点は、乾きが気になったり、唇の縦じわやテクスチャが目立ちがちなところ。

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私はこのアイテムの少しイエロー寄りのピーチヌードカラー、Unbutton がすごく好き。元々唇の赤みが強くて、ベージュっぽいカラーを塗っても、なぜかオンライン会議のスクリーン上では真っ赤に見えてしまうことがあるくらい。気にしているのは自分だけとはわかりつつ、ヌードリップの方が好みなので、しっかり唇の色をトランスフォームしてくれるこのリキッドリップスティックは出番が多い。

リキッドリップスティックの難点である縦じわ… ぶっちゃけ画面ではそこまで伝わらない(と思っている)。水やコーヒーを飲みながら何時間にも及ぶミーティングや友人とのおしゃべりの際は、長持ちする上にコップやストローに色が付きにくいのは高ポイント。おまけに縦じわもそこまで気にしなくていいので、オンラインでのコミュニケーションが増えた今、この一本は頼りにしている。

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Fenty Beauty はクルエルティフリーだけれど、全商品がヴィーガンではない。とはいえ、オフィシャルサイトの各商品ページの ingredients(原材料)の項目には、その商品がヴィーガンかどうか、もしくはその商品の中でどのシェードはヴィーガンかが明記されているので、選びやすくなっている。

ファンデーションの色をローンチ時から45色展開し、今では50色。多様な肌の色に積極的に対応する姿勢で知られているブランド。


さて、今の感じはあとどのくらい続くのかなぁ。コスメの消費は、まだまだしばらく控えめなままかもしれない。

ちょうど、去年のローバイ(購入を抑える)から、今年は持っているもので事足りる限りはノーバイ(購入をしない)を試してみようと思っていたところでの、パンデミック。逆に持っているものの使い切りに集中しないと、むしろ悪くなる懸念が出てきてしまったほどだ。

こんな時ならでは!の目線で、手持ちの中からお気に入りを再発掘する感覚で、今あるコスメを無駄にすることなく楽しんでいきたいところ!

THE LITTLE WHIM は化粧品の動物実験と動物由来成分使用に反対しています。取り上げる化粧品は2018年9月以降クルエルティフリー(動物実験をしていない)、くわえて2019年8月以降ヴィーガン(動物由来成分不使用)に限定しています。

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