これからは「クルエルティフリー」でいく

ずっと考えてきたけれど今まではなんとなくになっていた部分、実際に徹底してみることにした。

THE LITTLE WHIM では今後ビューティにおいて、クルエルティフリー(cruelty free: 動物実験のされていない)プロダクトしか取り上げません。

この決心に至った経緯

私は、食事はベジタリアンになっているけれど、ヴィーガンではない – それはライフスタイル全般においても。ただ自分ができる範囲で合理的な基準は儲けるようにしている。例えば、

  • 肉と魚は口にしない。今家にある動物由来の成分を含む食品を消費し切ったら、ヴィーガンに移行することにあると考えている。
  • ファッションでは、必要以上のレザー製品は買わず、こまめに手入れをして長く使うか、使わなくなったものは譲るようにしている。ファーに関しては、小さい頃から常に家に猫がいて、ふわふわした動物と慣れ親しんできたせいで、どうしても身につけることは考えられず一切買わないし持っていない。
  • その他にも、生活における動物搾取と関連する項目はゼロに近づけることを目指す生き方にしたい。

【追記】食においても完全にヴィーガンへの移行を始め、2019年にはヴィーガンになりました。

ビューティに関してはどうだろう。5年前にアメリカに引っ越してきてから、”cruelty free”(残虐性のない) とか、”not tested on animals” (動物実験がされていない)という表記は日本にいた頃よりよく見かけるので関心の高さは感じていたが、正直私がプロダクトを選ぶ上での基準ではなかった。ただ、常に心の中で思っていたこと。「スキンケアやメイクアップという、必要不可欠と言うよりは余分なジャンルであるプロダクトのために、動物が犠牲になる必要はあるのだろうか。

前述した、ファーは買わないし持っていないという話に戻る。レザーは、ブーツやバッグにおいて耐久性、履き心地や品質という部分でレザーにしか出せない部分があると思い、長く使えるものを慎重に選んだ上で半永久的に使っている。一方でファーは、本当に必要かと聞かれたら私は no だと思う。ニューヨークの冬は寒いけれど、ファーを着ないと生きていけないほどではない。ファーのバッグなんて特にもってのほかだと思う。ファーを、暖をとる理由ではなくアクセサリーとして使うのはとても余計なことだと感じざるを得ない。

そのマインドセットで考えた際に、スキンケアやメイクアップも、動物の犠牲は不要だという結論につながった。肌をスムースに見せたい、まつげをボリュームアップさせたい、リップスティックを長持ちさせたい – 私のそんな小さくてわがままな願望のために動物が犠牲になる必要はない

化粧品業界における動物実験の現状

このタイミングでこの決心をすることになったきっかけはこちら。

参考記事 “It’s Official: California Is the First State to Outlaw Animal-Tested Cosmetics (Byrdie)

アメリカ国内で初、カリフォルニア州が、製造過程及び成分において動物実験がなされた化粧品の販売を禁止することが決まったのだ。2020年1月より施行される予定であるこちら、今後アメリカ国内で他の州にも広がっていく可能性が高い。ちなみに、EU をはじめヨーロッパ諸国では数年前に似たような法律が設定されて実行されているようだ。

こうやって動物実験を禁止する動きが高まっているので、むしろ逆にヨーロッパやアメリカのマーケットでは動物実験がなされていないものの方が多いのでは?と感じて調べた時に、見つけたことがある。例えば動物実験を禁止しているフランス発のブランドである Chanel や Dior は、クルエルティフリーなのか?また、同様にフランス拠点である L’Oréal 傘下にある数多くのブランドは、クルエルティフリーなのか?実は違うのだ。現在のマーケットにおいてクルエルティフリーかどうかを見分ける上で重要な鍵となるポイントは、中国で販売されているかどうかだ – 中国は輸入化粧品に動物実験を絶対条件として強制しているから。

いい例は NARS である。NARS はかつて、クルエルティフリーでありつつ高い発色と高品質を実現するブランドとして知られていたが、2017年中国進出をしたタイミングで動物実験に関するポリシーを変更せざるを得なくなり、既存マーケットの多くのファンからボイコットされる結果に。

厳密にいえば、中国市場では未発売のアイテムに関しては動物実験はなされていない可能性も高いけれど、それでもブランドとしてみたら、残念ながら NARS は クルエルティフリー ブランドとしては認められなくなってしまった。(現在グローバル マーケットは、中国政府に、科学技術を用いた動物実験の代替となる案の説得を続けている。)

参考記事: “Here’s How China Is Moving Away From Animal Testing” (Bloomberg)

判断を更に複雑にする経営関係

更に興味深いのは親会社の関係だ。NARS は資生堂傘下にあり、資生堂は動物実験には基本的に反対だが中国市場といった規制がある国には例外を適用するという方針を持っている。これはまさしく NARS が迫られた選択だ。同様に資生堂傘下で中国に進出していないブランド(BareMinerals や Buxom など)は、クルエルティフリーの方針を維持している。

こういった傾向は Estee Lauder や L’Oréal といった、多くのブランドを所有する親会社にも見られるので一概には判断しにくい。

正しい情報を得る方法

まず多くのブランドは、100% クルエルティフリーであればそれを誇りをもって自社のウェブサイトに記述している。ただし、先述の「規制がある国への例外」に関する記述は少し曖昧で判断をしづらくする。第三者に依頼している場合も、わかりにくくなっている。

正確に情報を得る一つの方法として、アメリカで最も大きい動物保護団体である PeTA のウェブサイトや世界基準のクルエルティフリー評価団体である Cruelty Free International のウェブサイトで、クルエルティフリーであるかどうかを 会社、ブランド、そしてプロダクトのレベルで検索するとができる。

PeTA
https://features.peta.org/cruelty-free-company-search/index.aspx
Cruelty Free International
https://www.crueltyfreeinternational.org/LeapingBunny

その他にも、プライベートのクルエルティフリー情報ウェブサイトが多数ある。Logical Harmony や Cruelty-Free Kitty は個別にブランドに問い合わせ、入念にリサーチした上で頻繁にリストをアップデートしていて信ぴょう性が高い。こういった情報をしっかり活用していきたい。

徹底させる決心をしたのは本当に最近のこと。今自分のヴァニティやポーチにあるものを見ると正直クルエルティフリーではないものもたくさんあるので、使い切るか譲るか寄付をしていきながら、今後は 100% クルエルティフリーを目指していく。少しでも犠牲になる動物が減ることを祈って。そして私の母国である日本でもこのトピックの啓蒙がもっと進むといいな。

※ THE LITTLE WHIM にて2018年9月より前に書かれた投稿においては、クルエルティフリーではないプロダクトが含まれています。クルエルティフリーのもののみについて触れている記事は、以下からご覧頂けます。

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