THE LITTLE WHIM

「ハレとケ」で考える、私たちが地球のためにできること

先日、寄稿している IDEAS FOR GOODエールマーケット(Yahoo!ジャパン)と合同で開催したオンラインイベント「これからのエシカル消費とは?みんなで考えよう、明日からできること」に、登壇者として2回目の参加をさせてもらった。

感染症と隣り合わせの生活が続き、加速する気候危機も待ったなしの状態。サステナビリティやエシカルなライフスタイルに関心が高まる中、多くの参加者・視聴者が集まってくださった。

私自身、ほかの登壇者及び参加者から学びや吸収するものがたくさん。その中、登壇者の一人であった稲葉哲治さんが、第一部の終盤にお話しされていた内容が特に記憶に残った。(彼の note をぜひ読んでみてください!稲葉さんは、バックグラウンドは人事でありその分野でダイバーシティとインクルージョンに目を向けたサーキュラーな人材活用を構築化するとともに、東京でエシカルペイフォワードというリテールも運営されています。)

「ハレのエシカル」と「ケのエシカル」?
動画の1時間20分くらいのところで触れられている

頭に残っていたのは、スライドの最後の一行、「ハレのエシカル/ケのエシカル」(その他の内容もどれも興味深かったです!)

私は実は、恥ずかしながら「ハレとケ」という概念を知らなかった・・・。でもご存知の方はきっとすぐしっくりくると思う。要は、お出かけやパーティなど特別の場で楽しむものが「ハレのエシカル」、一方で日常生活の中であまり目立たない、暮らし方の一部のようなのが「ケのエシカル」と稲葉さんは位置付けられていた。

イベント後稲葉さんに直接これについて詳しくおうかがいしたところ、ハレは動脈的なのに対してケは静脈的な動きになりやすいというアナロジーもいただき、さらに府に落ちる。その中で特に、ハレのエシカルはダイバーシティなど自己の表現の役割を果たせる一方で、ケのエシカルは、私も高い関心を持っている循環型や再生型の考えが、現状では具現化しやすいのでは?という点でお互いの意見が合致した。

この視点から、私が今できているサステナブル・エシカル・サーキュラー(循環型)のことをハレとケに分けて整理してみたら、なかなかおもしろい。特に、マーケティングのもとハレ系が脚光を浴びやすい今、「サステナブル/エシカルは高くて予算に合わない」「そうゆうのは結局意識高い系の人のもの」といった声も多く聞く中で、ケ系の重要性にも光が当たったら、もっと多くの人が取り組みやすいバランスが生まれる、むしろたくさんの人が無意識の内にでもすでに始めていたりして?なんて思う。

なので今日は、「ハレとケ」で、私たちが地球のためにできることをまとめてみたい。普段の生活で比較的始めやすいと思うので、まずはケ系から。比べて件数は少ないけれど、特別感を持つハレ系は後にとっておくね。最後まで読んでもらえて、「ハレあってこそのケ」そして逆の「ケあってこそのハレ」について一緒に考えられたら嬉しいです。

ケ系

細かくても、続けることでチリも積もれば・・・的なことが多い。長い目で見て効果があると思うので、日常の習慣にしていくことが大切。ここには、「減らす」だけでなく「循環していく」「再生していく」可能性が隠れているのも、希望を感じる!

ゼロウェイスト型

環境に優しいライフスタイルを話す際最初に出てくることの一つ、ゼロウェイスト 。そのまま埋め立てに送られたり焼却されてしまうようなゴミを減らしていくことは、生活者ができる小さくても大きなこと。

私の中で完全に習慣化しているゼロウェイスト – 一つはできる限り量り売りで買うこと。穀類、ナッツ、豆類、コーヒー、スパイスなどで特に多い。パッケージされたものを買っていた頃は気づいていなかったけれど、特に夫婦2人の我が家では、欲しい量だけ買えるというありがたさもあり。

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THE LITTLE WHIM 新シリーズのお知らせ🌱 ⠀ 私は、何を隠そう、極度のめんどうくさがりや。「楽チン」「簡単」という言葉にはついつい惹かれちゃう🦥 ⠀ そんな私でもちゃちゃっとできちゃう、ゴミを出さないヴィーガンレシピを紹介するシリーズを始めます。その名も「私にもできるゼロウェイストレシピ」ズボラな方にこそオススメしたい。 ⠀ 世界中が感染症と闘っている中、衛生面から選択肢が狭まれるようなジレンマを感じていた。でも実際には、こんな時であっても、むしろこうゆう時だからこそ、ゼロウェイスト/ローウェイストでヴィーガンなライフスタイルは活かせると気づく。 ⠀ すでに関心があったり、これからの生き方に取り入れていきたいけれど、めんどうくさがりやなのよね、という方!ぜひ一緒に始めませんか? ⠀ 第1回目はオーツ麦と水だけでできるオートミルク🥛これわざわざ紹介するか!?というほど楽チン・簡単なレシピ。 ⠀ 詳しくはプロフィールのリンクから。@thelittlewhim ⠀ http://thelittlewhim.com/

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もう一つは、(ガラス)容器を繰り返し活用すること。量り売りで買ったものの保管にも使える、ジャムやココナッツオイルなどが入っていた空き容器を洗浄→再利用のループ。残った料理の保存にも、細々したものの整理にも便利。

そして、ハンドソープ・ディッシュソープ・シャンプー/コンディショナー・ボディソープ類は、全て固形石鹸に。日々使う消費財的役割であるこれらを、プラスチックパッケージなし&軽量(リキッドタイプで買うと成分の大部分は水 – 石鹸だとそれを含まないので、配送時の温室効果ガスを抑えられる)のものに変える。もうボトルで買うことはきっと今後ないだろうなぁというくらい、簡単に慣れることができるゼロウェイスト スイッチだった。ちなみに私は、デオドラントも、再利用可能なガラスジャーに入ったペーストでゼロウェイスト 。

ちゃっかり節約型

環境を考えて取り組むことは、「無駄を減らす」という共通点から、節約になる場合が結構ある。ケで貯めたお金を予算管理して、ハレに充てることもできるよね?

まずは節水。例えば、野菜を洗った水をボウルに溜めて、植物に与えている。オーガニックで買ったものについた土などを落とす目的で野菜をゆすいでいるので、それだけで水を排水溝に流してしまうのはもったいない。窓の外で雨水を溜めて、それも同じように植物に与えている。植物には水道水より雨水の方が一般的に健康的という利点もあるよ。もう一つキッチンでできることは、茹でるより蒸す。水利用が少ない上に、栄養も逃げない。あとは、当たり前だろうけれど、シャワー・洗顔時やお皿を洗う際にはこまめに栓を閉じ、水を出しっぱなしにしないこと。

節エネも大事。料理をする際は、ガスコンロもオーブンも、火を消した後もしばらく熱が残っているので、それを活用し早めに切るようにしている。冷蔵庫・冷凍庫の温度調節や、庫内の整理整頓もエネルギー利用削減かつ食材の長持ちにつながる。私が参考にしたブログ記事を貼っておくね。英語だけれど、イラストも多いのでわかりやすい。あ、あと冷凍してあるもので可能な場合は早めに冷凍庫から出して自然解凍しておくのも。

参考記事: Organize Your Fridge to Save Energy and Conserve Better (Seven Frigo)

さらにはリボベジ(切った後の残りから野菜を再生させること)。レギュラーで育てているのはネギかな。水につけて、いつも2回食べている(ネギの場合はくたくたになって匂いもキツくなってくるので3回目はやったことがない)。それだけでネギ代が半分に節約できると思うとすごいよね。人参、スプラウト系もすごく簡単。伸びる姿が愛おしい。

捨てる前にもう一度型

生ゴミはコンポスティング、それ以外もできるだけゴミや処分を減らす取り組みをしているけれど、どちらもその前にもう一度使い道はないかを考える。そのおかげで他のものを購入する必要がなくなることが多いので節約型とも言えるね。

ファッションの場合は、visible mending(あえて見えるように修繕)がお気に入り。

私はミシンを持っていないし、裁縫が得意なわけでもないけれど、小さい穴を覆うようにチクチク縫う作業は楽しいし、気に入っていた服が新しく生まれ変わる感覚が好き。

オレンジの皮はオレンジピールクリーナーにする。コンポストする前に、お酢と混ぜてもう一度活用できる。

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The #stayhome life requires a lot of cleaning! I love this #zerowaste cleaner hack using orange peels and white vinegar. ⠀ 🍊 ⠀ 自宅で隔離生活しているといつもよりお掃除が必要になる。。。 ⠀ 柑橘類をよく食べるので、オレンジの皮を使ったゼロウェイストクリーナー作りをしてみた。日本語で検索すると水で煮詰めた液を使う方法、英語で検索するとホワイトビネガーに数週間漬けた液を希釈して使う方法、2つに分かれるのがおもしろい。 ⠀ 両方試して、めんどうくさがりやの私は後者の漬けるだけ派に落ち着いた。お酢を使ったDIYクリーナーは匂いが苦手だったんだけど、これならキッチン周りがオレンジの香りですっきり。 ⠀ 作り方とメモ: ■ ガラス製の空き瓶などに、オレンジの皮とそれがひたひたになるくらいのお酢(アメリカではwhite vinegar と呼ばれるコーンや麦由来の無色透明のもの)を入れて、冷暗所で2週間ほど漬けておきます。 ■ その液を水と1:1の割合で希釈します。 ■ 私はスプレーボトルに入れて、レンジ周りやシンク(ステンレス製)の掃除に使っています。木製・グラナイト製などのカウンタートップには向かないかもしれないので、ご注意ください! ■ 冷蔵庫で保管して1ヶ月くらいで使い切れる量を考えながら作るようにしています。 ■ 残った皮でシンクの水垢汚れなどをそのままやさしく擦ると、気持ちいいほどきれいになります。 ■ みかんの皮でも同じ感覚でした。レモンやライムなどほかの柑橘類でやられる方もいるようです。

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最初はキッチンに使っていたけれど、今はバスルームでも一部愛用中。化学物質が一切入っていないので安全なのを知っているし、水質汚染の心配もガクンと減る。あれこれプラスチック容器入りのクリーナーを買っていた煩雑さとゴミから解放された。

あとは COVID-19 で隔離生活が始まった頃に再挑戦(以前何度か試して失敗歴あり)することにした、アボカドを種から育てること。私がいつも生ゴミを持って行っていたコンポスティング施設が感染症対策で休止になり、ここのところずっと自宅で自然コンポストをされているご近所さんに混ぜさせてもらっている。アボカドの種子は分解が遅いというのを聞いたことがあったので、申し訳なかった。そこで、観葉植物にもなるかな、とアボカドを水耕栽培で発芽させてみることに。紆余曲折があったけれど、今だいぶがんばってくれていて小さな芽が出ている。うまくいったら、栽培日記を書こうかな。

(これはまた別の機会があったら話したいけれど、アボカドの生産には環境・倫理的に気にかけるべきことが多いので、以前より購入を控え嗜好品の感覚で楽しむようにしている。)

地球を元気にする再生型

ケ系の最後は、これからフォーカスし、できることをもっと増やしていきたいエリアである再生。「地球へのダメージを軽減する」だけでなく「地球を元気にする」可能性を秘めているところなので、一番わくわくするよね。

私が現状できていること – まずは先ほども触れたコンポスティング。自宅の生ゴミは全て土に還している。ゴミを減らすこととだけ考えず、土に栄養を与えていることを意識したい。

ほかにもなんかあったかなぁと考えたら思い出したのは、バナナの皮の肥料としての活用。私は少し乾かしたあと、細かくして室内植物の土に混ぜている。自然と分解するし、土や植物に有効なバナナの皮特有の栄養があるとか(ないとか、諸説あり)。どちらにしろ、有機物として還り土を豊かにすることは間違いないのでやっているよ。最近はバナナの皮の料理方法もよく見かけるので気になっている!試したことある方、いる?

おまけとして書くけど大事なこと

ケ系は以上・・・なんだけど、ハレ系に移る前にもう一つ。項目としてあえては設けなかったけれど、動物性の消費を減らすことは、個人でできるとても大きなこと。どうしても難しいという方も、特に牛肉と乳製品が地球・動物・人に与えている影響について、考えてみて。

ハレ系

あくまで私がいち生活者として感じる範囲での意見だけれど、ハレ系は、いわゆる既存のサステナブル(負荷を減らしたり、リサイクルをベースにしたり)な考えに沿ったものが主流かな。

例えばこれから紹介する内最初の3つは、地球に残っている廃棄の活用がフォーカスになっているもの。現状は捨てられている大量の資源を救済するソリューションとして、ちょうど欲しかったもので少しでも無駄の活用の一端になれるものはハレ系の楽しみ。取り組むべき本当の課題は、素材を永久に循環させるシステム作りであり、今後はそれが形になったものが身近になっていくと思っている。

PELA CASE のスマホケース

2020年7月から、Pela Case のアフィリエイトパートナーになりました。私自身は2019年8月に自費で Pela Case を購入し、ブランドのポリシー・商品のクオリティがとても気に入って愛用しています。記事の内容は正直なレビューとして書いたものです。

日常的に使うスマホそのものは、全くサステナブルでもエシカルでもない。しかし多くの人にとって必要不可欠になっていると思う。せめてそれを長く大切に使うための保護ケースは、環境に優しい選択ができる。Pela Case は、特別な設備不要でそのまま堆肥化可能な植物性で、原料はカナダで余剰になった亜麻仁がベースになっている。

Pela Case

ちなみに Pela Case は Bコーポレーション認定1% for the Planet メンバー、そして Climate Neutral でカーボンフットプリントを公開している。

詳しくは昨夏記事にしているのでそちらを読んでみてね。使い始めてもうすぐ1年になるけれど、スマホは無傷で、ケースに消耗も見られず気に入っている。

ALIENINA のバッグ

Alienina というブランドの、セイリングやクライミングで使われるコードを活用したバッグ。素材の90%はアップサイクルだそう。全てイタリアで手作りで、個体はひとつひとつ少しずつ違うとか。

私が持っているのは Julia というタイプで、小振りながら日常的に必要なものは入る。100%コットンで、ロープを編み込んだような構造なので、マイボトルなど少し重みのあるものを入れると形が変化しておもしろい。ハンドル部分は写真のように二重にすると短くハンドバッグ仕様、一重にすると長くなり肩に掛けられる。中は100%オーガニックコットンの巾着のようになっている。

この夏ちょうどこのバッグを探していたら、ブルックリンのコミュニティで新品を売りに出している個人を見つけたので、購入させてもらった。ブランドをサポートする意味で直接買ってもよかったんだけど、近くで不要になっている方がいるなら、と結局 #oootd (old outfit of the day) に。日本でも取り扱いがあるよう。

INDOSOLE のビーサン

昨夏購入した、廃棄タイヤからソールを作るバリ島発ブランドIndosole のビーサン。

ブランドのウェブサイトによると、世界で年間15億本ものタイヤが廃棄されているそう。そしてタイヤが完全に分解するのはほぼ不可能に近い。それは耐久性が高い素材ということでもあるので、Indosole はその質を可能な限り劣化させず、アクティブな動きに強く耐久性のあるビーサンを作っている。

2回目の夏、ベージュなのでどうしても汚れが目立つけれど、ブラシでゴシゴシすれば簡単に落ちるし、履き心地もいいのでガンガン歩ける!長持ちしそうで嬉しい。私の足にはすでに Indosole 焼けがしっかりついている。

ちなみに Indosole もBコーポレーション認定を受けている。日本でも公式販売が始まったよう。

CHRISTY DAWN のドレス

最後は、私は持っていないけれど、今回挙げるハレ系の中で唯一、サステナビリティの先をいく環境再生のコンセプトを実現している例。Christy Dawn が取り組んでいる “Farm to Closet” のプロジェクトで、このコレクションは9月に発売される予定。

インドで環境再生型オーガニック農法で作られたコットンを使い、プリントや染料も自然に還元する形を取り入れている。地球だけでなくその農場で働く人々や地域にも優しく、生産の透明性も高い。これについても詳しくは以前書いているのでそちらで。

環境再生農業を取り入れたファッションは、まさに私が買い物を通した投票をしたいと心から感じる、最も期待値が高いハレ系だな。


以上、私たちが環境のためにできることを、「ハレとケ」の観点で考えてみた。頭の中でなんとなくでも、これはハレだな、あれはケだな、と分類されていると、既存に比べると高く感じることも、色気も華もないような貧乏くさいことも、バランスよく自分のライフスタイルに取り入れていくことができるようになる気がする。

価格が高い、意識高い、めんどうくさい、といったネガティビティが足かせになってきっかけを逃しそうになるけれど、こうやって考えながらもっとサステナブル・エシカル・サーキュラーなことが当たり前になっていくといいな。

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