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ケチでなまけ者にもできる「エコ」

ある日、すごく気になるツイートが目に飛び込んできた。

先日「世界のヴィーガンにインタビュー」に参加して下さったみんみさんのツイート。

みんみさんは環境問題への関心が高く、ご自身のブログでもエコでエシカルなアイデアをたくさん発信されている。

日本語で使われる「エコ」の認識について改めて問う彼女のツイートは、私に新しい視点と考え方をもたらしてくれた。

「エコ」とは?

エコという言葉は、英語で「生体環境」、「自然環境」を意味する “ecology” (エコロジー)からきている。(参考: コトバンク)英語ではよく「環境に優しい」、「環境に配慮された」という意味で、”ecological”(エコロジカル) や “eco-friendly”(エコフレンドリー)という言葉が商品やサービスのマーケティングに使われる。

では、どうして日本ではエコ=節約という認識が生まれたのか?

英語で「経済」を意味する “economy” (エコノミー)という言葉も同じ「エコ」を含む。そしてエコノミーには、経済の他に、飛行機のエコノミークラスのように「節約」という意味もある。(参考: コトバンク)もしかしてそこから「エコ」はエコノミー感、つまりはお得感を感じさせる言葉になってしまったのかな

更に、エコという言葉が日本広まるきっかけになった一つでありみんみさんも挙げているエコカーは、減税や補助金、各社の優遇などがあり「環境に優しい上に、お財布にも優しい」という売り方があった気がする。消費者にとって車のような高価な商品の購入や買い替えを考える上でその経済的要因は大きく、「エコ」は「お財布に優しい上に、環境にも優しい」に、ほぼ無意識の内にすり替わってしまったのかもしれない

PRIUS
トヨタ自動車

そんなことを考えている内に、ふと思った。「まぁそれでもいいんじゃない?」と。

「エコ」は高いし面倒くさい?

できるだけ生活の中で環境に配慮した選択や行動をしたいけれど、エコって実は結構お金がかかるし面倒くさいイメージ。確かに、サステナブルやエシカルなマーケットは、厳選した原料を使用し、労働に対し適正な賃料を払い、大量生産を避け、加えてカーボンオフセットなど配慮が多い。一般的なものより高価な上にセールになるのも稀で、更には特定の所でしか買えないことも。私が住むニューヨークはただでさえ物価が高く忙しい街なので、ついついお手頃でお手軽な方を選びたくなる。

でももし、エコ=節約だったとしたら、もっと積極的になれるのかもしれない。「お財布に優しい上に、環境にも優しい」というアプローチでも、結果環境に優しいことができているならいいんじゃないかなって。

そんなよこしまなアイデアが浮かんでから、実際に実現可能なエコな取り組みやアイデアを見直してみたら、ケチ(倹約家)でなまけ者な私にもすごく簡単に取り入れられているエコがいっぱいあることに気づいた。「エコ」が環境に優しい+節約 + 楽チンだったら、それ以上にいいことってなくない?そしてそう考えることによって続けやすくなるのなら、それもアリだと私は思う。完璧ではないけれど、ちょっと視線を変えたエコをまとめてみたよ。

ケチでなまけ者にもできる「エコ」

使い捨ては高くつく

私たちの生活は多くの使い捨てアイテムで溢れている。一回使い切りは衛生的だし使用後は捨てるだけなのですごく楽で、ある種の贅沢だ。しかし使い捨てがくれるラグジュアリーは、実際に価格に置き換えてみたら高くつく

  • 何度も利用が可能なものは初期投資はあるものの、長い目で見たら切り替えた方が節約できる。お得!
  • バッグやカップを持ち込むと、ごく少額ながら割引をしてくれるお店が多い。お得!
  • ストックしたり買い足しに行かなくていいので、なまけ者やうっかりさんには嬉しい限り。楽チン!
  • 積もり積もれば生涯でかなりゴミの量が減らせる。エコ!
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1. Naturekiwi, Vegan Reusable Food Wraps (via Amazon) | 2. Package Free Shop, Unpaper Towels | 3. S’well, 17oz Bottle | 4. Package Free Shop, Organic Cotton Facial Rounds | 5. Baggu, Reusalbe Bag

1 洗って何度も使えるラップ。コットンの布に大豆由来のワックスが加工されており、それなりにしっかり形状を保つ。野菜を包んだりサンドイッチなどをランチに持っていくことができるし、ボウルの蓋をすることもできる。ビーズワックス(ミツロウ)を使ったものもあるが、ヴィーガンにこだわる場合は大豆ワックスの選択肢を。DIYするアイデアもネットで結構見つかるよ。

2 紙のキッチンタオルのコットンフランネル版。薄手の雑巾感覚で、がしがし洗える。

3 THE LITTLE WHIM に登場し過ぎだけれど、友人にプレゼントでもらって以来何年も愛用しているステレス製の水筒。どのブランドでもいいと思うんだけど私が S’well を好きなのは、軽いのに高・低ともに保温効果と持続性が高いところ。猫舌の私は逆に困ってしまうくらい、コーヒーがいつまでも熱い!

4 洗って何度も使えるコットン。拭き取りトナーに使っている。マニュキアだけは、今も使い捨てのコットンを使用している。

5 こちらも何度も登場している Baggu の再利用ナイロンを使ったエコバッグ。もちろん、コットンやリネンなどもいいし、どこのものでもいい。私は Baggu の楽しいプリントが好きなのと、ナイロンだと冷凍・冷蔵食品から出る水滴や雨・雪に強いのでこれを愛用。

なまけが功を奏する

自炊がヴィーガンになってから、以前より更に食べるようになったのが野菜。野菜は小さい頃から大好きなのだけど、でも時々何を作ろうか・何の野菜を買おうか、アイデアがあまり浮かばない時がある。そしてそんな気分の時は買い物に行くのすらなんとなく億劫。そんななまけ者の私にぴったりのサービスがある。

Misfits
https://www.misfitsmarket.com/

Misfits Market は、農場がスーパーマーケットや八百屋などに卸せなかったオーガニック野菜をサブスクリプション(定期購買)で送ってくれる。量や頻度は選ぶことができる。

世の中には、生産余剰、サイズが不揃い、見た目が醜い、などの様々な理由で捨てられていく生鮮野菜が大量にある。Misfits Market によるとアメリカでは生産された野菜の約50%が廃棄されているという。そこに目をつけた比較的新しいビジネスだ。

  • 捨てられてしまう運命の野菜を通常の市場価格の半額で買えるので節約できる。お得!
  • 自宅に送ってくれるのでなまけ者にも忙しい人にもぴったり。楽チン!
  • 深刻な食料廃棄問題の改善に貢献できる。エコ!
  • 環境に配慮された、リサイクル可能でミニマルな包装で送られてくるので、ローウェイストのライフスタイルが実現できる。(私の経験では、ミニトマトだけは一般的なプラスチックの箱に入ってくるけれど、それ以外は確実にローウェイスト。)エコ!
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Image via Misfits

アメリカでは増えているこの類のビジネス、他の国はどうなのかな?

ちなみにアメリカの場合は、こういったサービスはローカルな農家と提携しており、更に物流面のサステナビリティに配慮し地域密着型なので、例えば Misfits Market はニューヨーク州を含めた東海岸に発送が限定されている。アメリカ在住の方で野菜を送ってもらいたい(そして使い切れる)方、是非お住いのエリアで似たサービスを調べてみて。

ただし、「安い」には理由があることを知る

とはいえ、やみくもに低価格に飛びつくのはもちろんエコをする上で問題がある。一般論だが、「高いものはいいもの」というのはかなり危ない方程式だと思うけれど、「安いものは悪いもの」というのは根拠がある場合も多い。特に「安いものは環境に悪いもの」というケースは多いのでそこに注目したい。

ものを製造する過程では様々なコストがかかり、それが商品上代を決定する大きな要因になる。マーケティング/ブランディング・開発・原料・パッケージ・物流・品質管理・労働など、コストには多くの要素がある。その中でも環境問題に大きく関与してくる上に消費者に判断しやすいのはパッケージだと思う。

パッケージにおいてコストを削減する上で最もよく使われるものは、プラスチックだプラスチックは丈夫で汎用性が高い上に、安価なのだ。故に私たちの生活の中で幅広い分野で使われるようになった。

THE LITTLE WHIM が大好きな分野、コスメで例を挙げてみる。ここでは特に価格に敏感なプチプラブランド Colourpop の商品の中から、幅広く展開されている 9色パレットと12色パレットを一つずつピックアップして価格・容量・パッケージを軸に比較してみると・・・。

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Just My Luck  と Good Sport はどちらも同じタイプのアイシャドウだが、価格、アイシャドウの数・容量、そしてパッケージが異なる。しかしブレイクダウンして比較してみると、価格比と容量比はどちらも3対4で同じ。つまり両パレットのアイシャドウそのものの価格価値は同じということになる。

ということは残された要素であるパッケージの価値比も3:4ということになる。Just My Luck は丈夫なプラスチックな上に鏡までついていて、一見したら付加価値が高い。一方 Good Sport はしっかりしているけれど水や衝撃からはダメージは受けやすそうな紙パッケージで、そして鏡はない。鏡付きのプラスチックパッケージ(比率 3)の方が鏡なしの紙パッケージ(比率 4)より安いって、なんだかすごくない?プチプラコスメのパッケージに使われているプラスチックや鏡は、相当原価が安いんだろうな、と驚く。

※ これはあくまで価格・アイシャドウ容量・パッケージの素材という3つの要素にのみ注目した上での見解です。コラボレーションなどのマーケティング要素のないもので比較しましたが、私はコスメ商品開発の専門知識はないため、偏った目線である可能性もあります。一つの見解として参考にしてください。

しかし今、プラスチックパッケージの問題は世界中で語られており、大きな課題となっている。コスメを含め様々なエリアにおいてプラスチックのパッケージは避けなきゃ、と私もやっと意識・行動し始めたところ。リサイクルマークのついたプラスチックであればちゃんと回収するのが大事だけれど、最初からプラスチックではなくガラスや紙などを選んだ方がより環境には優しい。

せめて、「これ」と「あれ」で悩んでいる時に、Colourpop のアイシャドウの例でもわかるようにお得感がパッケージからきている可能性を一度考えてみるのもいい。プロダクトを比較する上で加点方式で判断するとしたら、一つの要素としてパッケージに着目して、プラスチックでない方に大きく加点してみるのはどうだろう。

「私にもできる」という気持ちが大事

私が環境のために個人でできることは、どれだけがんばってもすごく小さい。それでも、一人一人ができることを続けることには意味があるし、自分のやっていることの手応えを重視することがさらなる大きなことにつながる可能性だってある。

そもそも私は野生の自然にあまり縁がない。人生の最も長い期間を東京の渋谷区で育った。今となっては笑えるけれど、結構な歳までもぐらが実在する動物だとは知らず、ヘルメットをかぶって槍みたいなのを持った架空のキャラクターだと思っていたほど、とんちんかんな都会っ子だった。今は6年前からニューヨークに住んでおり、私の生活はいつも建物と排気ガスと騒音に囲まれている。

そんな私にも、自然環境のためにできることは続けたいと思うきっかけを与えてくれるものはたくさんある。その一つが、Netflix で公開されている「OUR PLANET 私たちの地球」という番組だ。

以前から BBC のプラネットアースやその他のシリーズが大好きでよく観ていた。ところが、製作チームも出演の動物学者 デヴィット・アッテンボローも同じだが、OUR PLANET が伝えるメッセージは明らかに違う。長い期間をかけて撮影された壮大で美しい自然と動物の生態の映像が展開される中で、アッテンボローのナレーションが「このジャングルは過去40年で75%縮小した」、「年間で1,500万ヘクタールの熱帯雨林が失われている」、「今ここに生息している野生オラウータンが最後の世代になるだろう」など、衝撃的な事実を突きつけてくる。息を飲むほど美しく雄大な自然や愛らしい野生動物の姿を観た後に聞くそれらの現実は、真っ黒な煙を吐く煙突や汚染された河川や廃棄物の山の映像を見るより、はるかに強く胸に突き刺さってくる。そしてそれは、私たちが近年感じている気候変動として巡ってきている。

私たち人間はなんてことをしてしまったんだろう!

でももう失われたものを取り戻すことは非常に困難だ。私たちに個人レベルで今確実にできるのは、環境破壊のスピードを遅らせることで、具体的には今まで使われてきた環境に大きなダメージを与える手段の代替を早急に見つけ実行すること。

OUR PLANT の圧倒されるほど大きく美しい自然に比べたら、私の努力は本当にちっぽけで情けなくなる。それでも、できることを見つけ、そしてやらないよりはやる。そして小さな場所だけれど THE LITTLE WHIM で少しずつアイデアや情報を広げていく。自分の身の周りにもインターネット上にも仲間はいて、そこからもっと大きな働きかけへと進化していくこともある。

生活スタイル、経済環境、考え方などは人によって異なり、環境破壊に関する色んな情報の受け止め方も人によって変わってくる。「エコ」は意識が高い系、セレブなライフスタイル、そんなイメージもある気がするけれど、少し視点を変えたら自分のスタイルに合う「エコ」も見つかるかもしれない。そんなことを思ってこの記事を書いている。

ふー、すごい長くなってしまいました!ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。

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