ステップ・バイ・ステップのサステナビリティ この2年間の過程を振り返る

今の私にとって、生活の中で何かを判断・選択する上での基準の主役はサステナビリティ

原料やエネルギーの環境負荷、全体の温室効果ガスの排出、アニマルライツや人権、企業の透明性など、調べられる限りリサーチし、そして生活に取り入れられる範囲内で、compassionate(思いやりがある)で low impact(地球への負荷が少ない)な製品やサービス、ひいては生き方を選ぶよう心がけている。

ヴィーガン、クルエルティフリー、ゼロウェイスト、カーボンニュートラル、オーガニック、遺伝子組み換えなし (non GMO)、トレーサビリティ、etc. キーワードはたくさんある中で、2020年の今、夫も巻き込みながら私(たち)のライフスタイルはだいぶ確立してきた。

とはいえ、この compassionate で low impact なライフスタイルに取り組んできたこの2年ほどは、紆余曲折の連続だった。そしてこれからもジレンマに衝突したり trial and error な場面は出てくると思う。今までの私のヒストリーをたどりながら、通ってきたモヤモヤを振り返り、できるだけこれからの未来の失敗を減らせるようまとめてみようと思う。

オーガニック & 遺伝子組み換えなし

以前は、野菜や食品、その他身の回りのものでオーガニックや遺伝子組み換えなしを選ぶのは、ヒトの利益のためだと思っていた。「自分と家族の健康を気にかけて」「安全性を考慮して」あえて価格が高いものを選ぶ人たちがいる、という認識だった。ゆえに、「自分のことを思っての、贅沢な選択」として、オーガニックや遺伝子組み換えなしを時として選んだり選ばなかったりだったな。

この考え方は、生ゴミのコンポストをするようになってから大きく変わった。

農薬や除草剤のこと、そして遺伝子組み換えについて調べ学んでいく内に、自分が口にする食品や身体に使う化粧品などが、思っていた以上に「得体の知れないもの」かも知れないという怖さを感じるように。

しかしそれ以上に、コンポスティング(有機物を分解させて、堆肥にすること)をする上で「地球に還す」という感覚を実感するようになり、いくら自然のものである野菜や穀物、豆などであっても、強い化学成分が使われ、そしてそれに順応するよう改良が繰り返されたものをまた土に戻すことに違和感を覚えた。

更には、いくらコンポストするとはいえ、その量を減らしたいと思うようになり、皮なども可能な限り食べたいと考えると、自然と環境に配慮されて育ったクリーンなものを選択するように。そしてこれは食品に限らず植物由来のものを選ぶ際の基準の一つになった。

自分のためだけではなく、地球のために選ぶんだね。

一概に、オーガニックならいい、遺伝子組み換えなしならOK、というわけではないこともわかってきた(ひゃー深いわ)。土壌や水質、大気への負荷がより少ない農法についても今後理解を深めつつ、地域型の環境に優しいものに手を伸ばすようにしていきたい。

コスメ

コスメは大好きなので、本当にたくさん考えてきた。そもそも私にとって、サステナブル、エシカル、ヴィーガンなどのコンセプトを意識するようになった最初のきっかけは、クルエルティフリー(動物実験をしていない)化粧品を選ぶようになったこと。自分が日常的に使うものに動物実験という闇があることについて考え、避け始めたのが2年と少し前。私のサステナビリティの全てはそこから始まったと言える。

1年くらい前までの私にとって、選び方云々とは別に、最も大きな問題は買い過ぎていたことだった。高価な洋服や靴は簡単に手が出せないけれど、コスメは数十ドル(数千円)で買えるちょっとした幸せみたいな感じで。

なので、考えるべき要素が増えて購入に慎重になったのは私の購買行動の衛生管理上、非常によかったと思う。ヴィーガン&クルエルティフリー、成分のクリーンさ、ゴミになりにくいパッケージ、原料の調達・・・。

最近は気になる項目が多く、以前のように「わー新しいの出る!欲しい!」「これ気になるなぁ、買ってみよう!」と飛びつかなくなった。コスメが与えてくれる高揚感や自信が好きだからこそ、目先のキラキラ感だけでなく真に美しいと思えるかどうかを考えたい。

消費者側からできるサステナビリティの基本である「責任のある購買」。コスメに関しては反省・自戒として痛いほど感じるわ・・・。

日用品

コスメと同様に、家庭用洗剤、洗濯洗剤、歯磨き粉など、日用品においても動物実験が存在していることを学び、ありがたいことにアメリカではこういった分野でもクルエルティフリーの認識が高いので、広い範囲で動物実験を避けることができるようになった。そしてそういったブランドや商品には、「動物由来成分を含まない(ヴィーガン)」も見つかりやすい上に、「生分解性のある (biodegradable)」成分や、「ゼロウェイスト」なパッケージが使われていることも多く、環境への配慮も意識するように。

し・か・し。日用品においては、サステナビリティを考えるようになってからも、結構グリーンウォッシング的なものに翻弄されてしまった気がする。段階的な選択だったといえば自分を許せるけれど、今振り返ると中途半端なサステナに惑わされてしまった経験も多い。パッケージに書いてある「環境に優しそう」なメッセージを鵜呑みに選んでしまって、あとあと調べたらその「環境に優しそう」の中身は空っぽなことが判明したり。

それに気付き始めた頃から、ノントキシックやゼロウェイストのユーチューバーなどが勧める商品を試したり、DIY できるものにチャレンジしてみた。例えば、以前は「お酢と重曹だけで家中の清掃をするヒッピーみたいな人がいる」なんて思っていたのが、それを自ら実践してみて、自分もお酢の人になっていた時は自分自身に驚いた。お酢のDIYクリーナーは匂いがあまり得意ではなくてまだ模索中だけど、とにかく日用品を簡素化することに集中している。今まではお風呂用、お手洗い用、キッチン用、窓ガラス用・・・と複数のスプレー式洗剤があったことが不要であることは痛感した。

身の回りには余計なものやコンセプトが溢れていて、それらが必要だと思い込んでいたんだなぁ。

まだ安定した形は見つけられていないけれど、動物実験、強い化学物質、過剰なパッケージ、大き過ぎる商品展開など、自分に不要だと思う要素は削ぎ落とせてきたし、それは今後も続けながら進化させていきたい。

ヴィーガンダイエット

私がヴィーガンダイエット(動物の搾取を排除した食事法)に移行していったのは一年と少し前。これは私の今までの人生で最も重要な決断になったと思う。

先述の通り、私は身の回りの製品に施されている動物実験から、私たちの生活における動物の利用・搾取について考えるようになったのが、ヴィーガニズムにたどり着いたきっかけ。最初はペスカタリアン(魚を食べるベジタリアン)→ ベジタリアンだったが、牛乳・乳製品の本当の姿卵の生産の裏にあるものを通して動物の搾取を知った時は、正直数日落ち込むほどショックで苦しかった。そして気づけばヴィーガンになっていた。

加えて、多くの人にプラントベースを説得したと言われている気候変動と畜産の関係に迫る有名なドキュメンタリーを観たり、書籍やスピーチなどを通して、「畜産が与える環境負荷を避けることは、個人でできる気候危機を遅らせる最大の行動」であると確信した。

現在、地球上に存在する哺乳類の内、36%が人間、60%が家畜、そして4%が野生動物だと言われている。このバランスは、明らかにおかしい。まるで動物界を支配しているかのような人間と、そのエゴが作った家畜で、全体の96%を構成しているなんて。そしてこれがすでにたった4%になっている野生動物をさらに圧迫し続け、多くの生物を絶滅へと追いやっている。アニマルライツや気候危機について調べれば調べるほど、知らなかったことや考えていなかったことが文字通りぼろぼろ出てくる。地球上の美しい自然を見せながら、これがいかに壊されていっているかを伝えるドキュメンタリーは、観るたびに涙が出てしまう。

知りたくなかった?いや、知ってよかった。

今後ヴィーガニズムの世界的な拡充が予想されている中、植物性の市場が発展する上での問題も指摘され始めている。しかし、忘れないでおきたいのは、それが現状の異常なまでもに拡大した畜産や酪農を肯定する理由にはならないということ。

畜産や酪農を猛烈に押し進め、気候危機や多くの生物の絶滅を招いてしまった過ちを繰り返さない、人間・動物・地球のどれもにとって健康的なヴィーガンダイエットが広まって欲しいと思うと同時に、私自身も慎重になる必要性を常に感じている。

ファッション

最後はファッション。これは正直言って勉強中な部分も多く、一番迷いがある。

特に、私はファッションビジネスを学び業界で働いてきたし、この世界に友人も多いので、特殊な思い入れがあるのは否めない。「責めたくない」という極めて個人的な気持ちがあるのだろう。

ファッションビジネスの環境負荷や倫理に関しては、有名なドキュメンタリー2012年出版の書籍2019年出版の書籍を通して業界全体の構造を通して考えることが多い。同時に、ファストファッションに限らず過多になっている消費主義には、私も消費者として罪悪感があるので、本当に長く愛するものを持ちたい。そして、#oootd (old outfit of the day) というコンセプトを通して、古着・ヴィンテージ・お下がり・スワッピングを活用している。

新しいものを購入する際は、今まで以上に慎重に、愛情を持って選ぶ。素材についても知識を深めるように努めている。化学繊維 vs 天然繊維、どちらにも長所と短所がある中で、アイテムごとの機能性や耐久性も考慮に入れた上で、自分のニーズにも合ったサステナブルな選択をすることを心がけている。ファッションにおけるヴィーガニズム vs サステナビリティも対立しやすいのを感じる。例えばヴィーガンになったことで購入した、プラスチック由来のヴィーガンブーツ。もう買ってしまったものなので大事に履き続けるけれど、今後は植物由来のヴィーガンレザーにもっと注目するとともに、長い目で向き合っていきたい課題だと思っている。サステナブルファッションの世界に精通したホストとゲストが展開する議論が聞けるポッドキャストからは、多くのことを学び吸収してきた。

今の時点で、100%の正解はない。「よりよいファッション」を考えることで、ファッションを楽しむことはできる。

最後に

THE LITTLE WHIM はふわふわしたライフスタイル系。そして正直、コスメ系の記事全般が、過去のものも含め今もPV数が多い。

しかしあくまで個人ブログ(ウェブマガジンって本当は呼びたいんだけどね!)であるこの場所は、私が抱いているワクワクだったりモヤモヤだったりがエネルギー源になっている。

そのワクワクやモヤモヤは私生活の中で積もり、少しずつ書き始め、 THE LITTLE WHIM は今の形になった。最近はインスタグラムもそっち系ばかりになり、正直頭でっかちだ。でもね、もしこの場所やインスタグラムがなかったら、私の頭はでかくなりすぎて動けなくなっていたかもしれない。環境問題やアニマルライツは非常に複雑で、インプットが続くと破裂しそうになるし、息苦しくなる。

だから、これからも私の生活や人生において重要な軸になっているサステナビリティやそこから発展できる何かを、ほそぼそとだけど続けていきたいな。この2年間の紆余曲折を経た今のライフスタイルにたどり着くまでには、イマイチな選択や間違いも通ってきたけれど、そこから学んだことは貴重な知識となって身についたし、今後にも生かしていきたい。

以前書いた、サステナブルなライフスタイルを送る上で感じる迷いを拭い去ってくれたコンセプト。

サステナビリティはみなに共通する目的であって、手段は人によって異なる

例えば日用品の項目で触れたお酢のDIYクリーナーは、特に海外のゼロウェイストユーチューブを観ているとよく登場するが、これは「ノントキシックでゼロウェイストな手段」であって、目的はではない。よく目にするからと言ってこれが目的やゴールになってしまうのはなんか違う。この手段が自分に合うと思えば実行するし、そうでなければ、目的を達成できる他の手段を模索する。

「映え」を意識してしまいがちなマイボトルやエコバッグ、整列する揃いのメイソンジャーなんかもそうだ。それらを利用することは手段であり、目的ではない。「映え」が悪いとは言わないが、必要ではない。サステナブル・ライフスタイルにおいて、達成したい目的を見据えながら、自分の考え方とライフスタイルに合った手段を選ぶことの繰り返しが、重要なコアだと私は思う。

大事なのは、一つ一つの行動や選択にある「なぜか?」という理由づけを忘れないことと、自分らしさを保っていくこと、そして前向きに取り組んでいくこと。それを発信したり、どこかの誰かと共有できたら、嬉しいな。